《平川弘のCool Eye》MF駒井が横浜FCのプレスを回避し、展開をスムーズにしてくれた
J1残留にまずはひと安心
横浜FCを下し、やっとJ1残留が決まった札幌。ここまでもつれるとは思っていなかったが、とにかくひと安心。横浜FC戦(10月28日、札幌ドーム)で残留を決めれなかったら、残り試合の相手を考えるとちょっと心配だったので…。
機動力を生かすため 0トップ的な1トップMF駒井の起用
横浜FC戦はFW小柏、MFスパチョークがケガで欠場したため、1トップにはMF駒井、シャドーにはMF青木を使ってきたペトロヴィッチ監督。FWの金健熙、トゥチッチ、大森は最前線が本職だが、3人ともベンチで信頼されていないのが情けない。機動力、流動性を出すには0トップで行くしかなかったのだろう。
動きの工夫で攻撃の起点に
しかし、どこでもできる駒井がいて良かったというゲームだった。先制点を奪ってくれたこともそうだが、それ以上に攻撃の起点となってチームを引っ張ってくれた。小柄な駒井は肉弾戦ではもちろん屈強なDFンドカ・ボニフェイスにはかなわない。だが、動きを工夫し、くさびを巧妙に受けて攻撃の起点となった。
くさびパスのつなぎ方 先制点はサボらなかったご褒美
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ポストプレーでボールを収めるのではなく、くさびをダイレクト、あるいはフリックして味方に的確につないでくれたので、横浜FCのプレスを回避し、スムーズに展開することができていた。そこでノッキングしていたら、もっと鋭いカウンターを浴びていただろう。先制点も、最初は潰れて、サボらずに動き直したからこそ、相手に当たったボールがこぼれてきた。ご褒美だったが、それは自分で奪い取ったものと言っていい。
ゲームを楽にしてくれたMF浅野 残り3試合もケチャップドバドバで
MF浅野が借りを返してくれた。横浜M戦で決定機を外して1-4負けの戦犯となったが、きっちり決めてゲームを楽にしてくれた。スペースでボールを受けた浅野は、巨漢のンドカと対峙。仕掛けで少しボールをさらし、ンドカが足を出して来たところを入れ替わって完璧に抜き去った。普通にスペースで縦に勝負していたら抜けなかっただろう。浅野の駆け引きと技術の勝利だった。「ケチャドバ」なので、残り3試合でも浅野のゴールはまた見られることだろう。
好セーブもあったが…
最後に小言をひとつ。ファインセーブもあったGK高木だが、失点を含め、クロスに対して飛び出し、ボールに触れないシーンが目立った。判断の問題だろう。