チーム最多51試合に登板した池田隆英 胸に響いた新庄監督の言葉
大飛躍のシーズン 移籍3年目で本領発揮
日本ハムの池田隆英投手(29)が今季、楽天から移籍3年目で大輪の花を咲かせた。開幕2軍スタートからセットアッパーの座を勝ち取り、自己最多を大幅更新するチーム最多の51試合に登板。飛躍の裏には、新庄剛志監督(51)の〝魔法の言葉〟があった。
きっかけは交流戦最終戦のDeNA戦
ターニングポイントとなったのは、6月19日の交流戦最終戦・DeNA戦(横浜)だった。2点ビハインドの七回1死一、二塁のピンチでマウンドへ。2者連続三振で流れを呼び込み、チームの逆転勝利につなげた。
新庄監督も大絶賛 評価は急上昇
気迫あふれるピッチングが、新庄監督のハートをつかんだ。リーグ戦再開初戦となった同23日のロッテ戦(ZOZOマリン)では、3点リードの八回を託された。3者凡退と起用に応え、指揮官は「めちゃめちゃいいですね。(抑えの田中)正義くんが疲れたりした時に、池田くんが面白い」と絶賛した。
一球一球が勝負のリリーバー 指揮官から状況に応じた声かけ
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昨季まで担ってきた先発と違い、リリーフは一球一球が勝負。「一球一球に懸けている」と、投げる度に雄たけびを上げる。シーズン中、新庄監督は、状況に応じてさまざまな声かけをしてくれた。「抑えている時は一時期『おい、絶好調』と呼ばれていました。夏の終わりには『そろそろ打たれていいんじゃない』とかですね」
心を軽くしてくれた一言 「ドラマをありがと~」
その言葉に救われたこともあった。13連敗中だった7月26日の楽天戦(楽天モバイルパーク)。2点リードの八回から登板した池田は、先頭・岡島に二塁打を浴びたが、続く小郷、浅村を連続三振。あと1死のところで、鈴木大に同点の右越え2ランを献上した。九回に味方が1点を勝ち越し、チームは勝利したものの、ショックを隠しきれなかった。
「あの時はかなり力が入っていて、同点になって『やったわ…』と思った。僕自身、13連敗に2敗くらい関わっている。気合も入っていたし、意識もしていました。試合後、監督の前でハイタッチをしたんですけど、『大丈夫だからね。ドラマをありがと~』って」
意気に感じた言葉の数々 「この人のために勝ちたい」
ベンチ前で指揮官から肩をモミモミされ、思わず笑顔に。「そういう言葉を聞くとメンタルというか…。いつも『楽しまないと絶対ダメだよ』と言われます。この人のために勝ちたいと思うようになりましたね」。落ち込んでいた気持ちが一気に楽になった。
着実に力強く勝ち取ったポジション
今季はビハインドでの登板、火消し、回またぎを経て、勝ちパターンに定着。数々の修羅場をくぐり抜けられたのは、新庄監督の前向きな言葉があった。