台湾の至宝・孫易磊が始動 剛速球生む独自のステップに一流投手との共通点
沖縄・国頭の秋季キャンプに参加
母国の誇りを胸に、新天地でのスタートを切った。日本ハムの孫易磊投手(18)が1日、沖縄・国頭で始まった秋季キャンプに参加。キャッチボールやランニングで汗を流した。異国での一歩目を踏み出した台湾の至宝は「雰囲気が良かったです。みんな親切で楽しかった。まずはチームの流れと練習の方法をしっかり学んでいきたいです」と、穏やかな笑みを浮かべた。
しなやかな腕の振りから浮き上がるような球筋
156キロ右腕が、大器の片鱗を見せた。キャッチボールは塁間程度の距離ながら、スピンの効いたボールを幾度となく繰り出した。しなやかな腕の振りから、浮き上がるような球筋を描き「前回から5日ぐらい間が空いていたので、きょうは近めから。またこれから(肩を)つくっていこうかなと思っています」と意気込んだ。
朗希のように左足が〝くの字〟になる独特ステップ
その投球フォームは、一流投手たちと通ずる。孫易磊は体重移動の際に、左足が〝くの字〟になる独特のステップを踏む。ロッテ・佐々木朗や大リーグ・メッツの千賀ら本格派投手も取り入れている動きだが、誰かの真似ではなく自然に身につけたという。「(現在のフォームは)高校1年生から。そのとき球速は上がらなかったけど安定感が増した。投げながらこういう形になったのでオリジナルです」と説明した。
金子特命コーチが独自の投法を分析
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独自の投法を、金子特命コーチは「(オリックスの)山岡もそうですよね。自然とそうなっているなら良いんじゃないかと思う。内転筋や股関節の柔軟性があるからできること。無理にやると、足を着いたときに反動で左膝が開いてしまう。しっかり着地して地面からの力を、下から上に持っていくのが上手なんじゃないかな」と分析した。
チャイニーズ・タイペイブルーの〝相棒〟
新たな挑戦を共にする〝相棒〟には、故郷への思いが込められている。孫易磊は高校1年から「みんなと被りたくなかった」と日本のSSK社の製品を愛用し、複数のグラブを保有する。来日の際には、数ある選択肢の中から濃いめのブルーを選択。その理由を「ナショナルチームに入っていたので、チャイニーズ・タイペイブルーを持ってきました」と明かした。
今クール中にもブルペン入り
12月には台湾で代表チームの活動と実戦が予定されており、メンバー入りする可能性は十分にある。「選ばれるかもしれないので、それに向けて準備したい」と孫易磊。体調が万全ならば、今クール中にもブルペン入りする見通し。無限の可能性を秘める怪腕は、母国の期待を背負い、成長を遂げていく。