〝アジアの流川楓〟フィリピン代表のレバンガSG/SFラモスが連敗止める
4日からアウェーFE名古屋戦
B1東地区7位のレバンガ北海道は11月4日からアウェーで中地区4位のファイティングイーグルス名古屋と2連戦に挑む。9月のW杯に出場した〝アジアの流川楓〟こと、移籍2季目のSG/SFドワイト・ラモス(25)が連敗脱出をけん引する。
甘いマスクで女性ブースターに人気
甘いマスクで女性ブースターにも大人気のラモスが表情を引き締めた。「個人的なコンディションもいいしチームとしても悪くないと思うけど、なかなか今、勝ちきれてないのでチーム内で少しピリピリしてる感じ。これを少し緩くするというか安定させるには、なんとしても勝たなきゃいけない」。10月8日の今季初勝利以来、約1カ月ぶりの白星をたぐり寄せる。
今季9試合中8試合でスターター
移籍1年目の昨季は、開幕11試合目の京都ハンナリーズ戦(11月20日)で右足首を捻挫。約2カ月の長期離脱を余儀なくされ、想定外のシーズンだった。今季はチーム9試合中8試合で先発。チームで2番目の1試合平均27分13秒プレー。開幕2連戦は1桁得点に留まったが、3戦目から10月25日の千葉ジェッツ戦まで5試合連続の2桁得点をマーク。「個人的に出だしは良かったんじゃないかな」と手応えを感じていた。
島根戦は「恥ずかしいパフォーマンスだった」
しかし、同28日、29日のアウェー・島根スサノオマジック戦では第1戦に3点、第2戦は13得点と盛り返したが、「個人的にはちょっと恥ずかしいパフォーマンスだった。1戦目に関しては自分がしっかり試合に絡めなかった。自分の努力の足りなさが感じますし、2日目に関してはもっと効率的に点数を入れたりとか、特に競った試合になると1つ1つのプレーが大事」と責任を感じている。
もう1人の「流川楓」
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バスケットボールマンガの金字塔「SLAM DUNK(スラムダンク)」。22年12月には新作映画が公開され大ヒットした。9月のW杯では映画の主題歌が会場で流れ、レバンガの試合会場で流されている。そして、チームには同作品の人気キャラクター・流川楓が「2人」いる。
「リアル流川」桜井良太
1人は今季限りで引退するSG/SF桜井良太(40)。四日市工業高3年時のウインターカップで、流川が所属する湘北高校が対戦した山王高校のモデルになったと言われる能代工業に1人で51得点をマークしてチームも勝利。以来「リアル流川」と呼ばれてきた。
22年FIBAの特集でラモスを選出
もう1人がラモスだ。フィリピンでも同作は大人気だったそうで、アテネオ・デ・マニラ大時代には攻撃的なプレーから「流川と呼ばれていました」。新作映画が公開になった22年12月には、国際バスケットボール連盟(FIBA)が湘北高校のスターティング5を現実世界のアジアで活躍する選手と比較する特集を公開。数ある実力者の中からラモスを「フィリピンのバスケットボールスターにも似たような雰囲気があることを確認できるはずだ」と流川に選出した。
小野寺HC「もっとできるっていうのが正直なところ」
首脳陣からの信頼も厚い。小野寺龍太郎HC(41)は「もっとできるっていうのが正直なところです。スコアリングでの貢献って部分と、フィジカル的な要素が強い選手なのでリバウンドだったりディフェンスの面でも攻守にわたって中心選手。より自分ってものをもっと出していってほしい。そういう部分でも、今シーズンの活躍は昨年以上のパフォーマンスを見せてくれるとすごく期待してます」。上位を狙うには必要不可欠なピースだ。
今季1勝8敗も、5敗は10点差以内
今季は8敗中5敗が10点差以内。競り合いに持ち込めてはいるが、最後の集中力、精度で競り負けている。ラモスは「大事なのは、どんな状況であろうがどんな点差であろうが、残り時間何分何秒であろうが、特に競ってる時は自分たちがやらなきゃいけないことをしっかり徹底して遂行することが大事。環境や雰囲気に飲まれてしまって、違うことをやり始めたりすると厳しい」。やってきたことを信じ仲間を信じ、背番号2がコートで全力を尽くす。