台湾の至宝・孫易磊 調整は順調 野球を始めたきっかけは5歳上の兄
国頭キャンプ2日目 徐々に強度を上げながらキャッチボール
日本ハムの孫易磊投手(18)が2日、沖縄・国頭で行われている秋季キャンプに参加し、軽快な動きを見せた。今クール中のブルペン入りを見据え、キャッチボールの強度も一段階アップ。最速156キロ右腕が、徐々にギアを上げてきた。
キャンプ初日の1日は塁間程度の距離でキャッチボールを行っていたが、この日は約20メートルほど伸ばして快速球を投げ込んだ。「感じは悪くない。イメージ通りに仕上がってます」と手応えは上々。チェンジアップを2球織り交ぜるなど、本格的な投球練習へ向けて順調にステップを踏んでいる。
相手役のスタッフも大絶賛 杉浦通訳「すごい投手になりそう」
パートナーを務めた杉浦チームスタッフ兼通訳は「回転がきれいでボールが沈まない。体幹が強そうで軸がブレることもない。思い切り投げなくても良い球が来る。力まず伸びるボールを投げるのは、左右の違いはあるけど根本に似ている。これからすごい投手になりそうですね」と極上の球質を肌で感じ取り、賛辞の言葉を並べた。
将来性豊かな18歳 兄を追い急成長
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豊かな将来性を国内外で高く評価され、18歳の若さで海を渡った。台湾の至宝と呼ばれる男は、偉大な背中を追いかけるうちにメキメキ成長を遂げた。孫易磊の兄・易伸は2024年シーズンから台湾プロ野球の1軍公式戦に参入する台鋼ホークスの外野手で、野球を始めるきっかけを与えてくれた存在だ。
5歳上の兄がグラウンドで活躍する姿に、孫易磊少年は心をときめかせた。「5、6歳ぐらいの時、お兄さんの姿を見て野球をやりたいと思いました。マネをしたかったから」と照れたように笑い、幼い日を述懐する。その後も「お兄さんと同じ小学校へ行きました。中学は違うけど、高校、大学は同じ学校を選びました」。かつて兄が進んだ道を歩み、野球選手としての基礎を築いた。
リスペクトする兄からもエール 日本での活躍誓う
今でも、変わらぬ憧れの思いを胸に抱いている。孫易磊は「お兄さんはすごいです。一生懸命、頑張る努力家で、選手としては長打力もありながら足も速い」とリスペクトする。来日の際には「『海外でプレーするのは簡単ではないけど一生懸命、頑張ってほしい』と言われました」と、力強い言葉で背中を押してもらったという。
環境は違えど、来季からは互いが国内最高峰の舞台で活躍を目指すことになる。「お互い良い刺激になると思う。どちらが先に結果を残せるか、楽しみにしています」。高め合う兄弟が、両国の野球を熱くする。