札幌市出身23歳・政田夢乃が〝5度目の正直〟で涙の合格【女子ゴルフ最終プロテスト】
■日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)最終プロテスト最終日(11月2日、岡山・JFE瀬戸内海GC、6419ヤード、パー72)
6アンダー15位タイで合格
日本女子プロゴルフ協会は2日、岡山県で最終プロテスト最終日を行い、札幌市出身の政田夢乃(23、北海学園札幌高出)が4日間通算6アンダーで15位タイに入り、5度目の挑戦で念願のプロ入りを果たした。最終日は7アンダーでスタート。2バーディー3ボギーの73とスコアを1つ落としたが、見事20位までに与えられる権利を手にした。今後は2024年のレギュラーツアー優先出場権をかけクオリファイトーナメント(QT)へ向けて準備する。
「家族とお世話になってる方々に感謝の気持ちを伝えたい」
季節外れのサクラが咲いた。最終18番パー5。3オンに成功させ、上りのバーディーパットは惜しくもカップの縁を通り過ぎたが、楽々パーセーブし安堵の表情。全選手がホールアウトし合格が確定すると「最初は楽しもうって思ってたんですけど、やっぱり最後の最後はすごい緊張した。でも、その緊張感の中いいプレーができたので、次につながるんじゃないかな。まず家族とお世話になってる方々やスポンサーさんとかに感謝の気持ちを伝えたい」。初挑戦の19年から4年。上位20位タイまでの狭き門をようやくこじ開け〝夢乃〟実現へスタートラインに立った。
挑戦1年目は1打差で不合格
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4年前の最終プロテストで1打差で涙をのんだ因縁のコース。今回も初日に出入りの激しい内容で73。合格圏内まで4打差の58位タイと大きく出遅れたが、2日目以降は68、68と猛プッシュ。昨年に続き合格圏内で運命の最終日を迎えた。
後半出だしで3連続ボギー「頭は真っ白になってた」
前半は4番パー4で1つスコアを伸ばし、通算8アンダーで折りかえした。後半出だしの10番から3連続ボギーをたたき、一時はカットラインの5アンダーまで後退したが、13番パー4でパーセーブしてなんとか踏みとどまった。同伴プレーヤーに「一緒に頑張ろう」と励まされ、17番パー4でバーディーを奪い粘りきった。「もう何も考えれなくて、ほんと頭は途中で真っ白になってた。今でも何も浮かんでこないぐらい」。緊張から解放されると、喜びから自然と涙があふれ出た。
「宮里藍さんのように憧れられるプレーヤーになりたい」
来年3月の開幕戦に出場するには11月21日から埼玉・こだまゴルフクラブほかで開幕する第1次QTを勝ち抜き、同28日から静岡・葛城ゴルフ倶楽部宇刈Cで行われる最終QTで上位に入る必要がある。「私がプロゴルファーになろうと思ったきっかけが宮里藍さんだったので、子供たちから憧れられるようなプレーヤーになりたいです。QTでは少しでも上位にいけるように頑張りたい」。同期や後輩に遅れはとったが、ここから道産娘の巻き返しが始まる。
■プロフィール 政田 夢乃(まさだ・ゆめの) 2000年7月28日、札幌市生まれ。父の影響で3歳でゴルフクラブを握った。JLPGAのトーナメントは13年の札幌新川西中1年時にニトリレディスに主催者推薦で初出場。同じく20年11月の伊藤園レディスでは予選を突破して45位タイに入った。21年にアマチュア資格を返上。同年の「マイナビネクストヒロインゴルフツアー」第6戦で初優勝し、今季はここまで4勝。ドライバーの飛距離は240ヤード。身長は154センチ。家族は両親と弟。