台湾の至宝・孫易磊 来日初ブルペンで衝撃の154キロ ブルペン捕手「バズーカ系でズドンと来る」
待ちに待ったブルペン投球 いきなりの剛速球
台湾の至宝がベールを脱いだ。日本ハムの孫易磊投手(18)が4日、沖縄・国頭で行われている秋季キャンプに参加し、来日後初めてブルペンで投球練習を行った。全ての持ち球を試しながら計20球を投げ、直球の最速は154キロを計測。海を渡ってきた大器が、底知れないポテンシャルを見せつけた。
本人も納得のピッチング 「思った以上に良かった」
セットポジションを取り、1つ息を吐く。孫易磊が腕を振り抜くと、うなりを上げた白球が力強くミットを叩いた。その後もフォークを3球、チェンジアップとスライダーを1球ずつ織り交ぜ「思った以上に良かった。(フォークは)一番の決め球なので多めに投げました」と好感触を口にし、かわいらしい笑みを浮かべた。
制球力も抜群 コーチ、スタッフも大絶賛
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制球に苦しむ素振りはない。直球、変化球ともにきっちりコントロールされていた。実力の一端を肌で感じたのはブルペン捕手を務めたチームスタッフの柴田さん。「右のパワーピッチャーで、うちにはいないタイプ。だいたいゾーンに決まっていましたね。ピュンって来るよりはバズーカ系でズドンと来る感じ。僕の主観ですけど、ズシッと重たい。フォークもすごく落ちる」と、その力量に舌を巻いた。
均整の取れた体をスムーズに使い、しなやかなフォームから剛速球を投げ込む。間近で投球を見守った伊藤2軍投手コーチは「真っすぐが強い印象。リリース(時の指)のかかり方もすごく強くて体全体の力を感じました。素晴らしい投手。フォークは落差があって面白い球種。いろいろな可能性があるので(先発、中継ぎの適性を)どことは決められない。スケールの大きい投手になると思います」と特大の才能にほれ込んだ。
サーフィンで培ったバランス感覚も武器
まだ18歳。表情には、あどけなさも残る。海が好きで、姉の影響で中学3年から始めたサーフィンが趣味だ。「最後にやったのは8月。休みや時間があれば行っていました。5秒以上は立てるけど、すぐに倒れて落ちてしまう(笑)。海があればリフレッシュできます」とニッコリ。波乗りで鍛えたバランス感覚も、アスリートとしての大きな強みだ。
上々の滑り出し 期する一層の努力
今キャンプでは、今後も1クールに1回の頻度でブルペン入りを予定している。「球数も少しずつ増やしていこうと思っています」と孫易磊。焦らずじっくりと、天賦の才に磨きをかける。