ファイターズ
《ハム番24時》11月5日
ショーを見ている気分だった。エスコン秋季キャンプの第1クール締めくくり。1万3500人が来場していた。マイクを手にした森本外野守備走塁コーチが司会役を務め、内野2カ所で、左右の打球を連続で捕球するアメリカンノックが始まった。
ノルマは10回捕球を3セット。「サボりぐせのある清宮くんです」「執念ないぞ! 今川」と森本コーチの声が飛び、スタンドがドッと沸く。選手はあごが上がり、苦悶(くもん)の表情を浮かべた。体力、技術、根性が試されていた。
本来は免除だったベテランの中島も志願した。引退したばかりの同級生、谷内内野守備走塁コーチのノックを捕る。若手顔負けの軽快な動きを披露し「いつも奈良間に『ノック入ってください』と言われる。休み前だし、ファンも見ているので、元気なところをアピールしたくて」と静かに笑った。
最後の1人が終わり、お開きかと思われたが、山田バッテリーコーチが「森本コーチが(捕るところを)見たい」とムチャぶり。選手、ファンは大喜びだ。引けなくなった森本コーチは、腹を決めて挑戦。仕返しとばかりにあおられながら、半分の5球をクリアすると、倒れ込み「あなたたち、こんなキツイ練習をしていたの? なんかゴメンね」と公開謝罪した。球場全体が一つになるような楽しいコントだった。