【一問一答】契約更新した宮西が来季400ホールド達成誓う「納得できる試合を増やしたい」
■秋季キャンプ(11月5日、エスコンフィールド北海道)
日本ハム最年長の宮西尚生投手(38)が5日、エスコンフィールド北海道で会見し、保有している海外FA権を行使せず、現役を続ける意思を表した。現状維持の年俸5000万円プラス出来高で契約を更改(金額は推定)。通算839試合登板、393ホールドを挙げている鉄腕リリーバーは、ファイターズで17年目のシーズンを戦う。会見の一問一答は以下の通り。
―日本ハムと契約を更新。現在の心境は
「契約しましたし、球団の方といろいろ話ができたので、来シーズンに向けて新たな気持ちで頑張っていきたい、そういう感じです」
―今季は31試合に登板し、防御率2・66で13ホールド。どう振り返るか
「その前(2022年)のシーズンが良くなくて、イチから結果を出さないといけない―、という思いで今シーズンが始まった。キャンプから正直、飛ばしている部分はあった。その中で、どこまでもつかな、と思いながら。僕の中では想像通りというか。よく7月くらいまで(1軍に)おったかなと」
―来季はどのように位置づけるか
「ここ数年そうですけど、本当に1試合1試合、目の前の試合というのを大事に、勝利に向けて投げられたら良いなと思っています」
―このオフをどう来季につなげるか
「気持ちは変わらないですけど、プロである以上、1年間、1軍で戦い続けたいという思いはすごくあります。この年齢ですし、自分の中でもどかしさというか、できるのか、できないのか、というところ。チームも若くなっています。同じ成績なら未来ある若手を使うのは、この世の常と言いますか。そういう部分も感じています。やっぱり1年間投げ続ける、そこは目標にしていますけど、1試合1試合、自分で納得できる試合を増やしたい」
―チームは最下位。ベテランとしてどう貢献していきたいか
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
「ベテランと言われる年になり、2軍暮らしもここ数年、経験しています。どういう練習をしているか、その姿を見せられるか。気づいたことを教えてあげられる。何か一つでも後輩たちに(伝えたい)。引き出しを増やしてあげることも大事だと思います。まずは1軍でチームの勝利に貢献する、そこだと思う」
―来季の去就については
「正直、考えることはありました。でも球団と話をして、今年だけの評価でなく、この16年間の評価だったり、これから先、僕に対する評価だったり。そういう部分の話し合いの中で、吉村さん(統括本部長)から良い言葉をかけていただいたので、それが前に進む力になった」
―400ホールドまであと7。こだわりは
「こだわりは持ちたいなと思いますし、本当に今まで個人記録はそこまで興味がなかったんですけど、よくよく考えると、自分がここまで投げ続けてこられたのも、ホールドにこだわるのも、歴代の先輩が(いたから)。登板数だったら岩瀬さん、ホールドだったら山口さん。リリーフは厳しい場面で投げている割には、評価されていないなと思う中で、僕が唯一、目標としてきたのが、そういう数字。心が折れそうな時、そういう数字を目指して頑張ってきたところがある。だから若い選手も、僕の数字だったり、岩瀬さんの登板数だったり、それらの連続記録だったり、何か目に見えて目指すべきものがあると、心が折れそうな時にもう一回、立ち上がれると思う。そういう意味で400という、キリの良い数字ですし、そこはしっかり目指したいなと、今は強く思っています」
―ファンに向けて
「ここ数年は最高の成績を個人的にも出せていないですし、チームも出せていない。ファンのみなさまには悔しい思いをさせてしまっているなと、選手はみんな思っている。能力のある選手が多いし、ここ1、2年で経験もできたと思うので、来季こそ本当に勝ちきれるチームでありたいと思う。その中で優勝をしっかり獲れるように頑張っていきたいと思います」
―契約延長の際、球団に伝えたことは
「僕からは、若い子たちのこと。今年、1軍でメインで出た投手たちの評価の部分で、本当によく頑張った、ということしか言っていないです。自分のことは、FAを取ってから吉村さんが2人で話す場をずっと設けてくれている。言いたいこともしっかり言えたし、感謝していますよ」
―球団から、経験を若手に還元してほしいという話はあったか
「僕自身が納得するまで頑張ってほしい、という話をされました。後輩に対してこうしてくれ、ということはなく、一選手として話をしてくれているな、というのは感じました」
―肘の手術を終え、今季を迎えた。手応えは感じたか
「一昨年に比べたら、肘は今年、全然痛くなかったですし、腕の振りも悪くなかった。ちょっと飛ばしすきたな(笑)」
―今季のパフォーマンスに対して球団の評価は
「どうやって言ったら良いか、難しいですけど。もう今年だけの評価という話ではなくて。16年間の貢献、姿だったり。今回はすごく評価していただいたなという感じかな」
―保有するFAを含め、去就はいろいろ考えたか
「FAというのは基本的に、前にこういう場で使いませんと言っちゃっているし。そもそも使う気はないですけど、いろいろなパターンはありますよね。そういうことも含め、話をしていただいた感じですね」
―ファイターズへの愛着も強い
「それは最初にFAを取ったときに言ったように、大学で調子が悪くなっても、ファイターズと縁があり、入団することになり、ずっとやりやすい環境をつくってくれて、ここまで来れたということがある。その恩は今もすごく感じているし、それこそファンもこれだけ長くおったら、すごい声援をくれますし。そういう意味で北海道というのは僕の中ではやっぱり切っても切り離せないものになっているから」
―家族の存在が戦う原動力になっている
「もちろんそれはありますし、ここ数年、心配させているけど、野球に関して一切、口を出さない嫁、子供だから。独身のまま投げている感覚(笑)。野球だけを楽しんでやってくれ、という環境をつくってくれているから。ほんとありがたいですよね」
―節目の400ホールドを達成した先は、思い描くか
「僕の中では描いています」
―それは
「総理大臣になるとか言った方が良いですか(笑)」
―ひとつ壁を越えると燃え尽きてしまう場合も
「確かに。連続50試合登板が途切れたときも終わりかなと思っていたけど、また違うやり方はあるなと思った。それこそ400ホールドも残っていた。自分の中で何かは決めていますよ。みんなが今、頭の片隅にあるんやろうけど、終わり時というのも、もちろんこの年になると考えるところだから。まあね、そのへんを思い描いているという感じで良いんじゃないですか」
―契約条件については
「ここまできたら条件的なものは関係ないかな。もうそこじゃなく、というところかなと思います」