《平川弘のCool Eye》一昔前の札幌を見ているようだ
堅守速攻、ハードワーク貫き初優勝した福岡
ルヴァン杯決勝では福岡が浦和を下し初優勝を果たした。札幌が言える立場ではないが、経営規模が決して大きくない福岡がタイトルを獲ったことの意義は大きい。福岡は身の丈にあったサッカーで結果を出した。ポゼッションを排除する訳ではないが、堅守速攻を徹底してハードワークするプレースタイルは一昔前の札幌を見ているようだった。
元札幌の奈良と前が大黒柱として活躍
おまけに福岡には奈良竜樹と前寛之が大黒柱としてプレーし、なくてはならない存在となっている。昔の札幌とダブって見えるのは私だけではないだろう。決勝戦開始直後の先制点はどこから出て来たの?というくらい前の気持ちが入ったものであった。いつもはボランチが定位置だがこの日はシャドーでの起用。ゴール前に顔を出し点に絡むことがミッションでもあった。長谷部監督の賭けが吉と出た。水戸時代からのつながりで前と長谷部監督が一心同体であることを感じずにはいられなかった。
初心に返って真似なければならない部分とは
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
サッカー自体は札幌の方が福岡よりレベルの高い?戦い方をしていると思う。だが、リーグ戦の順位は福岡が8位で札幌は13位。札幌が上から目線でものを言うのは恥ずかしい。彼らの泥臭さ、一つにまとまって戦う部分は初心に返って真似なければならない。
残り3試合、札幌の「本気度」を感じさせてほしい
J1残留が決まった札幌だが、残り3試合をどう戦っていくのだろうか。もちろんプロとして1つでも上の順位でフィニッシュすることは最優先。FC東京との直接対決があるので数字的には11位まで行けるかも。そのためにはもちろん3戦全勝が必要だ。来季を見据えた若手の起用や新たなトライも考えられるが「本気度」を感じさせてほしい。
金子には完全移籍をつかみ取ってほしい
クロアチア・ザグレブに期限付き移籍した金子拓郎。ケガもあり出場機会を減らしていたが、ここにきて復調の兆しを見せている。カップ戦でアピールしてリーグ戦で使われるようになり序列を上げている。その構図は世界共通で厳しいものだ。見知らぬ土地、文化の中で順応することは簡単ではない。キャリアのある鎌田大地でさえイタリアで苦労している。ぜひ、壁を乗り越え完全移籍をつかみ取ってほしい。