加藤豪将 6種のバットでパワーヒッターに変身「使えば、体が勝手に良いスイングを覚えてくれる」
ドライブライン効果実感 フリー打撃で9本の柵越え
日本ハムの加藤豪将内野手(29)が8日、エスコンフィールド北海道で行われている秋季キャンプでフリー打撃を行い、55スイングで9本の柵越えを放った。レギュラーシーズン終了後には約2週間アメリカへ戻り、シアトルにあるトレーニング施設「ドライブライン」を初めて訪問。自らのスイングを分析し、打撃改良のポイントを洗い出した。
エンゼルス大谷ら大リーガーも足を運ぶ施設
進化のきっかけを海の向こうから持ち帰った。エンゼルス・大谷翔平やツインズ・前田健太ら、一流メジャーリーガーも通う動作解析の専門施設で大きな発見を得た。
「衝撃的でした。今まで聞いたことがないものばかり。テクノロジーもすごく、いろいろなものが使われている。いろいろな国から、たくさんの選手が来ていて、これが良い、これが悪いと分かるデータを山ほど持っている。『ドライブラインのプランをやれば、平均してこうなるよ』と、プロジェクション(見通し)も教えてもらえるので安心できます」
理想のフォーム確立へ 改善点は脇腹!?
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現地では長さ、重さ、重心のバランスが異なる5種類の金属バットと試合用の木製バットを合わせて6本調達。それぞれのバットを振る回数は日によって指定され、毎日計100スイングを重ねることで、自然と理想のフォームが身に付くという。改善すべきポイントは「サイドベンド(※側屈、左打者の場合は左脇腹を縮めて左肩を下げる動きのこと)が早すぎる」と上半身の動きにある。
「例えば、このバットが1日10スイングと決まっていたら、最後のスイングに納得できなくても11回、12回と振ってはいけない。ドライブラインの良いところはエコロジカル・メソッド・トレーニング。その環境を使えば、体が勝手に良いスイングを覚えてくれる。投手もそう。いろいろなボールを使って普通に投げれば良い角度になる。道具を使うのが現代のトレーニング方法です」
それぞれの数値が軒並み上昇 「あり得ないぐらいのジャンプ」
効果は数字に表れる。シーズン中の試合前練習で148キロだった平均打球速度は、今キャンプで一気に156キロまで伸びた。スイングスピードも「3、4マイル違います。あり得ないぐらいのジャンプです。思いきり振る練習、ウエートや可動域を広げるトレーニング、6種類のバットを振ったりと、いろいろな要素があって数値が上がっている」と、取り組みへの手応えを口にした。
本塁打の必要性を痛感 すべてはリーグV&日本一のため
1点差ゲームをことどとく落とした今季の反省を踏まえて、パワーヒッターへの変身を目指している。「アメリカではそんな印象なかったけど、こっちに来て1本のホームランが試合を変えると感じました。うちのチームで2桁本塁打は4人いた。5人目がいたら、さらに良いチームになる。こんなにホームランを打ちたいと思っているのは人生で初めてです」
優勝だけを目指して母国に戻った男は、知恵を絞り、チームに足りないピースを埋める。