北海が選抜甲子園見据え決断 低反発バットで神宮に挑む チーム1号・宮下温人「芯で捉えればしっかり飛ぶ」
初戦は16日、作新学院
13年ぶりに明治神宮野球大会高校の部に出場する北海は、11月16日の2回戦で対戦する関東大会優勝の作新学院戦に向け、6日から札幌の日本ハム室内練習場を借りて調整を行っている。出場が確実視される来春の選抜甲子園から現行規格より反発係数が落ちる低反発バットが採用されることを見据え、新規格のバットを10本導入し大会でも使用する。
平川監督「帰ってからは外で(練習)できない」
4強入りした1994年以来の1勝へ。現行規格のバットも使えるが、平川敦監督(52)は「勝っても負けても今年最後の大会。北海道に帰ってきてからはもう外でできない。屋外での打感とか、全国レベルの投手とは選抜甲子園まで対戦できない」。当然勝利を目指すが、来春に向けた課題のあぶり出しとしても今大会を位置づけている。
2016年夏の決勝のリベンジだ
対戦相手の作新学院は2016年夏の甲子園決勝で初優勝を阻まれた因縁の相手。公式戦ではそれ以来の対戦となる。リベンジマッチの一戦へ、平川監督は「全国に行ったら同じところと結構当たるんで」と苦笑い。続けて「エースの小川君は結構いい。あそこもチームで、組織で戦ってくるチーム。そういった投手とやって、どういった感覚で北海道に戻ってこれるか」。11日に北海道を発ち、OBがコーチを務める神奈川・武相と練習試合を行うなど温暖な道外で最終調整して大会に臨む。
紅白戦で右翼フェンスの防球ネット直撃
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新型〝1号〟は主砲・宮下温人右翼手(2年)のバットから飛び出した。同3日の紅白戦で浅水結翔投手(1年)から右翼フェンス後方の防球ネットを直撃する一発。以前と同じ83センチのモデルだが「より手元の方の感覚なので、さらにヘッドを使いやすくなったって感じ。飛ばないって言われてるバットなんですけど、芯で捉えればしっかり飛ぶのがわかった」と頼もしい。
侍ジャパン大学代表の兄がフォーム指摘
日の丸を背負う兄からの助言で不振から立ち直った。宮下は夏の甲子園では16強進出も、自身は4打数1安打と極度の不振に陥った。兄・朝陽さん(東洋大2年)は、今夏の侍ジャパン大学代表に2年生から唯一選出された。夏の大会後「タイミングがちょっとずれてるぞと連絡が来ました。それからノーステップで打つようにしました」と打撃フォームの改造に着手。そのおかげで秋の全道では4番を務め、打率は5割。「夏よりタイミングの合わせ方とかは良くなってきてるので、状態は上がってきてる」と胸を張った。
力を貸してくれた3年生の思いに応える
作新学院のエース・小川哲平投手(2年)は、今春の選抜甲子園で登板するなど140キロ台後半をマークする本格派右腕。「長打よりも、うまいバッティングをするって関東大会の決勝戦見て思った。そこで松田(収司投手)が頑張ってくれると思いますし、取られた分は自分たちが取り返さないといけない。(小川投手は)速いピッチャーなんですけど、3年生の熊谷(陽輝)さんとか、岡田(彗斗)さんの球を紅白戦でたくさん見させてもらったので、対応できるようにやっていきたい」。引退後も力を貸してくれた先輩たちの思いに応える覚悟だ。
「兄弟2人で神宮をいい場所にしたい」
明治神宮球場は兄が所属する東都大学リーグのメーン球場。「神宮大会出場を決める前に『神宮来いよ』ってLINEが来た。兄に憧れているので同じ場所でプレーできるのは嬉しい。兄も神宮で活躍してると思うので自分も活躍して兄弟2人で神宮をいい場所にしたい」。兄も4番・遊撃として20年の秋季全道を制したが、明治神宮大会はコロナ禍で中止。同じ4番を受け継いだ弟が、兄の分も大暴れするつもりだ。