男子500メートルは新濱が優勝 2位森重、3位村上と道産子勢が表彰台独占【スピードスケートW杯】
■スピードスケートワールドカップ帯広大会 第1日(11月10日、明治北海道十勝オーバル)
▽男子500メートル
地元でW杯初のワン・ツー・スリー
帯広の地で、道産子勢が表彰台を独占した。スピードスケートのワールドカップ(W杯)帯広大会が開幕し、男子500メートルは別海町出身の新濱立也(27、高崎健康福祉大職)が34秒52で優勝を果たした。さらに同じく別海町出身の森重航(23、オカモトグループ)が34秒69で2位、地元・帯広市出身の村上右磨(30、高堂建設)も34秒82で3位に入り、3人で表彰台に上がって会場に集結した1032人の観客を大いに盛り上げた。
新濱「自国で叶うとは思わなかった」
日本男子短距離界のレベルの高さを示した。7組目で森重がトップに立つと、新濱、村上も続いた。表彰台の真ん中に立った新濱は「いつかは独占したいという思いを話していましたけど、自国で叶うとは思わなかった」と、目を丸くするうれしい快挙となった。ここ数年は世界トップレベルを保っている3人だが、表彰台独占は初めて。森重が「ようやく日本の強さを3人で見せられた」と話すと、村上は「地元日本の大会で日本人3人っていうのは、本当にうれしかった」と続いた。
レース前のアクシデント乗り越え
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頂点に立った新濱は午前中に行われた1000メートルにもディビジョンBで出場。1分8秒93で1位となったが、その際に左の股関節を痛めていた。しかし「行くしかなかったので、ケアしてもらって最低限の準備をして、スタートラインに立った。それが気持ちを落ち着かせられる一つの要因になった」と冷静にレースへと臨むことができた。「シーズンが終わる3月まで長い。2月の世界距離別選手権にピークを持っていけるようにしたい」と意気込んだ。
森重は課題のスタート失敗も 残り400メートルで唯一24秒台
森重も手応えをつかめたレースとなった。「課題はスタート」と最初の100メートルが9秒7に終わったことを反省したが「調子が悪くても、ある程度のタイムでは来られる自信は付いた」と、残りの400メートルは出場選手唯一の24秒台をマーク。村上も「いろいろかみ合わなかった部分があった。最後のコーナーはうまく(刃とリンクが)噛まないで、ただ回るだけになってしまった」と唇をかんだが、しっかりと表彰台には登った。
2回目の500メートルも独占再現だ
12日にも500メートルがある。新濱は「本当に良いスタートができた。日曜日にレースがもう一本あるので、もう一回、3人で独占できれば」と再現に意欲を見せた。W杯の国内開催は4年ぶり、帯広では5年ぶりとなった一戦で、最高のスタートを切った。