自分自身も驚がく?! 山田将矢が前日Vの勢いそのまま男子1500メートルでもまさかの優勝【スピードスケートW杯】
■スピードスケートワールドカップ帯広大会 第2日(11月11日、明治北海道十勝オーバル)
▽男子1500メートル
覚醒の兆し 「まさか1500メートルで優勝できるとは」
自らも驚く2冠達成となった―。10日の1000メートルでW杯初優勝を飾った山田将矢(27、ウェルネット)が1500メートルでも1分45秒57をマークし、金メダルを獲得した。「まさか1500メートルで優勝できるとは」と、驚きを隠さなかった。覚醒の兆しを見せる27歳。この追い風を逃すわけにはいかない。
タイム確認して右拳を突き上げ
手応えのある滑りだった。1500メートルを滑り終えてタイムを確認すると、右拳を突き上げた。最終組で滑ったジョーダン・ストルツ(19)は1分45秒59。わずか0・02秒差で上回ると、一気に破顔した。「信じられないですね。地元の利も生かして勝てたことを大きな自信にしたい」と、さらなる成長を誓った。
足首痛に悩まされ、引退もよぎった中で所属チームの廃部
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2021年2月に痛めた左足首に長らく悩まされてきた。先が見えない中、多くの病院を回り、トレーナーにはさまざまなことを依頼した。長いトンネルを抜け出せず、引退することも考えた。そこで声を掛けてくれたのがウェルネットだ。所属していた日本電産サンキョースピードスケート部が廃部となり、「行くあてもなかったときに声を掛けていただいた。引退しないきっかけをくれた」と感謝した。まだ万全とは言えないが、足首の不安が取り除かれたことにより、伸びやかな滑りが戻ってきた。「たくさんの人に助けていただいて、3年掛かりましたけど、やりたいことができていて、すごい充実したトレーニングができている。スケートがおもしろいなと、また思えてこられたところ」と笑顔を見せる。
「忘れられない2日間」を自信に 海外に行っても力を示す
今回の開幕戦は日本開催ということもあり、海外勢のコンディションは不十分な部分もあった。当然、山田将も理解している。「ここからだという気持ち。日本人が一番いいコンディションで挑める大会だったと思うので、海外に行っても自分の力を示せるように、優勝を目指して取り組んでいきたい」。20代終盤に差し掛かったが、まだまだ成長の余地はある。「トップスピードがまだ足りていない。今日は噛み合っただけ。まだまだ上がっていける」と力を込めた。「忘れられない2日間」の自信を胸に、さらに大きな花を咲かせてみせる。