女子・日本航空北海道が創部1年目で初切符 札幌山の手とも接戦演じる【ウインターカップ北海道予選】
■全国高校バスケットボール選手権北海道予選最終日(11月12日、小樽市総合体育館)
▽女子決勝リーグ 日本航空北海道86-63北星学園、札幌山の手94-87日本航空北海道
1年生のみで今夏インターハイ16強
創部1年目で初出場の日本航空北海道が決勝リーグを2勝1敗で2位に入り、今夏のインターハイ16強入りに続き、快挙を達成した。2勝同士で迎えた決勝リーグ最終戦では、昨冬の全国準優勝メンバーが残る札幌山の手を相手に、終盤の追い上げを見せて7点差に迫る接戦を演じた。優勝した札幌山の手とともに12月23日に東京体育館などで開幕する本大会に出場する。
女王相手に前半は23点差 後半追い上げて7点差
今年4月に創部した15人の1年生軍団が、大会5連覇を達成した女王に冷や汗をかかせた。前半は23点のビハインドを背負ったが、後半に入ると猛追。第3クオーター(Q)に19点差に縮めると、第4Qは24-12のダブルスコア。ゲームセットの瞬間は、優勝した札幌山の手よりも大きな歓声が体育館に響いた。
初対戦時は大敗 5カ月の成長見せた
西川葵主将は「最後までやり切ろうと全員で声を掛け合えていた。もうちょっと前半やれていれば、いい試合だった」。創部3カ月で挑んだ6月のインターハイ予選では、決勝リーグで札幌山の手と公式戦で初めて対戦し、29点差で敗戦と歯が立たなかったが、それからわずか5カ月で大きく成長したことを証明した。
留学生カマラを封じられて苦戦
前半苦戦の要因は、186センチで出場最長身でマリからの留学生センター、カマラ・ファトゥマタがファウル連発でベンチに下げざるを得なかったこと。出場時間も40分中30分にとどまり、得点も9点に抑えられた。
中村と庵原で45点を奪って応戦
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プランは大きく狂ったが、窮地を救ったのはガードの中村泉咲だ。「カマラはチームの得点源だし、抜けたら結構きつい。自分が得点を取ろうと思ってやりました。自分の強みはスピードを生かしたドライブとか、ドライブからのアシスト」。160センチと小柄だが、得意のプレーでゴールに果敢にアタック。チーム最多の23得点、3アシストをマークした。さらにドイツ人の父を持つ180センチの元U15ドイツ代表フォワード・庵原有紗も22得点と、2人で全得点の約半数を稼ぎだした。
勢力図塗り替える1期生15人
北海道内の勢力図を一気に塗り替えた。23年4月の創部に向け、かつて男子の愛知・向陽で指揮を執り、県大会4強入りした経験を持つ矢倉直親監督(61)が前年4月に赴任。北は北海道から監督の地元・愛知まで選手獲得に奔走した。「愛知県には何回も戻って、愛知県の子3人が来てくれたんです」と、1期生15人の精鋭が集まり、寮生活を送りながらバスケットボール漬けの生活を送っている。
誰も予想しなかった夏の快進撃
今年は36年ぶりに北海道でインターハイが開催された。指揮官は「北海道で開催されるっていうのは何年も前から知っていたので、もう絶対に行きたいと、僕は。でも、誰も行けないだろうって、多分、学校の先生も思っていたみたいで。選手本人たちも『あっ、行けた』みたいな感じじゃないかなと思います」。北海道予選で2位に入ると、本大会では1回戦の足羽戦(福井)で全国初勝利を挙げ、2回戦の山形中央にも勝利。一気に16強入りした。
冬の全国は「ベスト8は最低でも行きたい」
今大会の目標は夏の16強超え。「ベスト8は最低でも行きたい」と中村。インターハイでは、系列の男子・日本航空山梨が初の全国優勝。日本航空北海道のメンバーも応援席で一緒に声をからして声援を送った。西川主将は「いつかこの舞台でプレーしたいよね」と、全員で誓い合ったという。今大会を含めてチャンスはまだ5回もある。伸びしろしかない1年生軍団の快進撃は、真冬の東京でも続く。