20歳の堀川桃香が女子3000メートルでW杯個人初表彰台となる2位【スピードスケートW杯】
■スピードスケートワールドカップ帯広大会 最終日(11月12日、明治北海道十勝オーバル)
▽女子3000メートル
母・智子さんの誕生日に最高のプレゼント
うれしいW杯初メダルとなった。堀川桃香(20、富士急行)が3000メートルで4分3秒42で2位に入り、W杯で初めて表彰台に上がった。「個人レースでのメダルは初めてなので、すごくうれしいです。ちょっと信じられないぐらい」と屈託なく笑った。この日は母・智子さんの50歳の誕生日。家族と一緒にスタンドから声援を送っていた母へ、最高のプレゼントを届けた。
パシュート優勝も ひと味違う個人のメダル
世界でも戦えるポテンシャルを見せた。最終組が終わり、メダルが確定すると、飛び跳ねて喜んだ。11日には高木美帆(29、TOKIOインカラミ)と佐藤綾乃(26、ANA)と組んだチームパシュートで優勝していたが、個人でつかんだメダルはひと味違うものだった。「パシュートは2人の力が大きかったので、取らせてもらったメダル。今回はしっかり自分で取ることができたメダル。家族だったり、友達の方が見に来てくれている前で、こういう結果で終われてうれしい」と素直に喜んだ。
昨年12月の全日本選手権は高木を破って優勝
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昨年は18歳で北京五輪に出場した長距離界のホープ。同年12月の全日本選手権では高木を破っての優勝を果たし、高木も「すごい良い滑りをされた」と脱帽していた。ナショナルチームの糸川敏彦監督(49)は「今年は世界で上を目指すと伝えていた。やれることを実証してくれた」と目を細め、「自信を持って(世界でも)やれると変わってくれれば」とさらなる覚醒を期待した。
糸川監督が「世界と戦うぞ!」とスイッチ
レース中も糸川監督の声が、堀川のスイッチを入れた。普段のレース中は声が聞こえていないというが、この日は「世界と戦うぞ!」との声が届いた。31秒台のラップを刻みながら、レースを進めた。4、6周目には32秒台に落ちたが「まだ足もあった」とすぐさまタイムを31秒台に戻し、食らいついた。そして最後の周は32秒01で駆け抜けた。「楽にラップをつくることができた」と手応えも感じられたレースとなった。
「みんなで強くなれた」
長距離界でメダルを争うことは簡単ではないが、スピード向上のために練習から男子の後ろに付いたりするなど、一体となって強化を進めてきた。「みんなで強くなれた感じです。みんながそういう気持ちでやれていた」と、長距離チームでの成長を強調。勝負はここからだ。海外勢の状態が上がっていないこともあり、「今回のタイムじゃ通用しない」とキッパリ。「(ラップを)32秒台に落としてしまったことが課題なので、これから全部31秒台でいけるように頑張っていきたい」。北の大地で得た自信を、本物の実力に変えていく。