またも北海の前に涙を飲んだ旭川実業 プレミアリーグ残り3戦に残留懸ける【全国高校サッカー選手権北海道大会】
■全国高校サッカー選手権北海道大会最終日(11月12日、札幌ドーム)
▽決勝 北海3-2旭川実業
前回の準々決勝、前々回のファイナルでも北海に黒星
5大会ぶりの北海道制覇&選手権出場を目指したインターハイ道王者の旭川実業だったが、前回、前々回大会に続き、またしても北海の前に涙を飲んだ。それでも延長戦を含め、計100分にも及んだ激闘の中で見せた戦いぶりは、優勝校にも劣らないものだった。
2度も試合を振り出しに 庄子主将「冷静にやれた」
開始早々の前半6分に北海が1点を先取。いきなり先制パンチを喰らう形となったが、決して下を向かなかった。同32分にFW和嶋陽佳(3年)が同点ゴールをゲット。再び勝ち越されて迎えた終了間際の後半38分にはDF鈴木奏翔(3年)が土壇場で同点弾を決めてみせた。
キャプテンのDF庄子羽琉(3年)は「試合前の段階から相手に力があるのは分かっていたんですけど、自分たちも力があるという自信を持って戦うことで、0-1、0-2の状況になっても、自分たちは絶対に追い付いたり、逆転できると常に声をかけていました。実際にそういう状況になっても、チームの認識として大丈夫だと冷静にやれた。その結果、2回追い付くことができたかなという印象です」。多少のビハインドにも動じないチームの精神力を誇った。
頼れるキャプテン 後半には自らビッグプレー披露
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そして庄子自身も守備でビッグプレーを披露した。後半立ち上がりの2分、北海のFKからのヘディングシュートがGKイルング侑良(3年)の体に当たってゴールマウスへと向かったが、ゴールラインギリギリのところで庄子が右足でクリアした。
「最後まで諦めず(ゴール)マウスカバーをするというのは、練習からずっと意識していて。1失点目の時に自分も戻ってたんですけど、戻りきれなくて失点してしまったので、それを取り返したいなと思いながら戦っていて。失点を防いでチームに貢献できたのは大きかった」と胸を張った。
プレミアリーグとの並行 調整の難しさ痛感
今季、旭川実業は道勢として11年ぶりとなるプレミアリーグ(EAST)へ参戦中。全国の強豪と戦う1年を過ごしているが、その中で今大会に向けた調整の難しさを感じていた。富居徹雄監督(51)は「プレミアと並行した選手権の道予選というのは、インターハイの時も(チーム状態が)ちょっとひどかったので苦しむだろうなとは思ってました。けれど、だいぶ整ってきた感じはあるんですけど、やっぱりバランスの悪さがゲームでありましたね」と口にした。
そして「リーグ戦とトーナメント戦の両方で勝っていくということをリスクを負ってでもしなきゃいけなかったり、セカンドチームやサードチームもリーグ戦に参加するというようなチーム体力を求めてつくってきているんですけど、まだ何かが足りないかなと思っています」と分析した。
悔しさをバネに〝もう一つの戦い〟へ
そのプレミアリーグは残り3試合。旭川実業は3勝1分15敗で12チーム中、最下位に位置する。残留圏の10位までの勝ち点差は7で、1つの負けも許されない状況だ。
庄子は「自分たちはわずかな残留の可能性に懸けて戦う責任があると思いますし、まだサッカー人生が続く部員もいっぱいいる。プレミアの舞台というのは経験したくてもしきれないような素晴らしい環境が揃っている。そういう人たちのためにも、この3試合を大切に戦って自分たちの成長につなげたいです」。逆転残留への意気込みを見せる。選手権での戦いは終わったが、もう一つの全国舞台で旭川実業の力を誇示してみせる。