【赤黒戦士、シンジを語る】⑦スクールコーチ・元DF濱大耀 僕の知らない深い世界を見させてもらった
現在は道リーグ選手&スクールコーチ
北海道コンサドーレ札幌の選手たちが語ってくれた証言から〝天才〟MF小野伸二(44)の素顔に迫る特集「赤黒戦士、シンジを語る」第7回は、昨季限りで契約満了し、今年からコンサドーレサッカースクールのコーチを務めながら北海道リーグのBTOP北海道でプレーする濱大耀(25)。少年時代に全盛期の小野と遭遇した記憶から振り返ってくれた。
初対面は小学生時代
札幌U-18から2017年にトップチームに昇格し、20年まで同じ赤黒のユニホームに袖を通した。しかし、その初対面は、それよりもずいぶんと前に遡る。
小学時代はクラブフィールズU-12に所属していた。ある日、「伸二さんがフェイノールトとかオランダにいる時に、僕の小学校のチームが使っている江別のグラウンドに、シーズンオフかなんかで『少し体を動かしたい』みたいな感じで来てくれて、一緒に遊んでもらった」。サッカー少年にとってみても当然、スーパースター。周りの選手たちと同じように小野の華麗なボールタッチや一挙手一投足に目を奪われた。
「一緒にやれたのは誇れるサッカー人生」
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
17年に同じプロ選手として再会を果たした。「僕はコンサドーレの前に会っちゃってるんで、伸二さんが本当のプロだと思って中学、高校までサッカーをしていた。その選手とプロになって一緒にやれたのは、誇れるサッカー人生だった」と胸を張った。
サッカーにはもっといろんな楽しみ方があった
一緒に過ごした貴重な時間の中で学びは多かった。「スキルとか、サッカーそのものは、たくさん教えてもらったけど、もっといろんな楽しみ方があるというか。僕の知らない深いところまで、特に伸二さんとミシャさんから面白い世界を見させてもらって、それを体感した経験は大きかった」。これからはその経験を未来ある少年少女へと伝えていくことが使命だ。
ふと思い出す シンジの姿
担当するスクールは小学生以下が対象。「楽しむのがメインのスクール。でも自分の中で、ちょっと教えたい気持ちも出ちゃったりするんですよ。もうちょっとうまくなったら、また楽しみが増えるということもあるけど、それぞれの楽しみ方がある。そういう時、ふと伸二さんがサッカーをしている『絵』が思い浮かぶ」という。サッカー観の根底に、いつも背番号44の存在があった。
最後の試合は「子供たちにも見てほしい」
小野の現役最後の試合となる12月3日の浦和戦は、チケットがほぼ完売しているため、スクール生と一緒に観戦することはかなわないかもしれない。それでも「子供たちにも見てほしい。やっぱり、『楽しませる』ということに対して突出している方。子供の時にそういう姿を見ると、追いかけて、のめり込むと思う。僕は小さい時にすごい出会いがあったのが、いま改めて感慨深いと感じる」。自らが少年時代に小野に憧れてプロになったように、今度は自分が金の卵を育てていくことで恩返しする。