北海道文教大に国内最大級の室内練習場が完成 札幌6大学野球リーグ1部昇格へ加速
総工費約7億円のスポーツアリーナ
札幌学生野球連盟2部の北海道文教大敷地内に、大学施設では国内最大級となる72×35メートルの2階建て室内練習場「スポーツアリーナ」が完成し、11月14日に竣工式が行われた。総工費は約7億円。大学が使用しない日は、敷地内にある附属高校や附属幼稚園、さらに地元の中学、小学生チームなど地域への開放も視野に入れ、街の活性化に貢献する。
高橋監督「1年中ボールも触れるしバットも振れる」
日本ハムの室内練習場も顔負けの豪華施設が恵庭市に完成した。同大は3部に低迷する22年4月に前東京農大北海道監督の樋越勉GM(66)と元東海大札幌の高橋葉一監督(58)が就任し本格的強化に着手。わずか1年で2部に昇格すると、今春には全国各地から39人が入部。一気に1部昇格を狙ったが、春秋ともに2位に終わった。高橋監督は「フィジカル面の弱さが技術の修得などチームの状態に好転しなかった。この施設が出来ると1年中ボールも触れるしバットも振れる。フィジカル面、コンディショニング面をしっかりプランニングしていくことが大きな仕事」。充実した練習環境で1部昇格への道のりを加速させる。
1階は野球のダイヤモンド2面分
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
メインはダイヤモンド2面がすっぽり入る60メートル×35メートルの1階部分。ベースボールマガジン社とイタリアの人工芝メーカーが共同開発したゴムチップ入りで、打撃練習時はネットで区切って16カ所同時に打ち込みが可能だ。隣接する管理棟1階には、シャワー付きのトレーニングセンターを併設。筋トレはもちろん、理学療法士を目指す学生のためのリハビリ室も設置され、陸上女子100メートルの日本記録保持者、福島千里さん(35)が現役時代に活用した「レッドコード」も9カ所用意される予定だ。さらに2階部分にはブルペンが5カ所、屋外にも10カ所。さらに投内連携練習が可能なスペースも確保されている。
樋越GMも東農大時代を振り返り施設の重要性唱える
昨冬は、中学硬式の千歳シニアが保有する恵庭市内の室内練習場を間借りしていた。現在、東都野球連盟理事長も務める樋越GMが1990年に東農大北海道監督に就任した時も大学内に室内練習場はなかったが、98年に網走市が「オホーツクドーム」を建設。「あれがあったから(寒冷地でも)細かい野球が出来るようになった。昔だと北海道の野球って大味みたいに言われていましたけど、今は変わってきている。高校野球も北海なんかはすごくやっている。打てて細かい野球が出来れば、絶対に日本一に近づく。高橋監督には頑張ってもらいたいね」と指揮官の手腕に期待を込める。
名将コンビの〝虎の穴〟
秋のリーグ戦終了後、上級生は学業に専念するなど引退。今は1年生32人だが、来春には30近い新入部員が入ってくる見込み。学年リーダーを務める谷口魁捕手(1年)は「ブルペンとかも素晴らしいつくりで、冬にしっかり練習に打ち込める環境。秋はチーム打率が2割台だったので、しっかり強化して来春に絶対1部昇格が出来るように頑張っていきたい」。合計38度の全国出場を誇る名将コンビの下に完成した〝虎の穴〟で徹底的に鍛え抜く。