ファイターズ
《ハム番24時》11月16日
その姿を見た瞬間に、我が目を疑った。16日の北広島の気温は午前10時の時点でわずか5度。最近ではまだマシな方だが、屋根を開けたエスコンフィールド北海道のグラウンドは冷え切っていた。凍えるような環境の中で自主トレに励む選手たちは、多めに着込むことで何とか汗を流そうと奮闘していた。
しかし、異彩を放つ男が1人だけいた。道産子・今川の格好は、まさかのTシャツ短パンだった。ランニングを終えたばかりの段階で声を掛けると「走れば何とかなるかなと思って。これならイケそうです」と爽やかな笑みを向けてくれた。周囲のスタッフから「俺の上着を貸そうか?」と問われても、なぜかやんわりと拒否。その後もキャッチボールを行うなど、活発に動き回っていた。
子どもは風の子。小学生の頃、学校に1人は真冬でも半袖半ズボンで過ごす男の子がいた…。なんて話をたまに聞くが、記者は実際に遭遇した経験がなかった。都市伝説だと思っていた存在が大人になった今、突然現れた。さすがに頭の整理が追い付かなかった。
11月の北海道の空気は容赦がない。ダウンジャケットを着ている記者でさえ、長時間、外にいるのは耐えがたかった。あふれんばかりの気合で練習していた今川も、いつしか「バカ寒い…。検証の結果、イケませんでした!」とギブアップ。〝執念スタイル〟も、ほどほどがよろしいかと。