【一問一答】ドラ1細野が仮契約 「僕自身も、最終的には一番になることが目標」
日本ハムからドラフト1位指名を受けた東洋大の細野晴希投手(21)が17日、都内の同大で球団と入団交渉を行い、契約金1億円プラス出来高払い、年俸1300万円で仮契約を結んだ。細野と大渕GM補佐兼スカウト部長の一問一答は以下の通り。
■細野の一問一答
―仮契約を終えた気持ちは
「きょうが始まる前よりも、これからプロの世界でやるんだという気持ちが強くなりました」
―球団からはどんな話があったか
「最終的には、すごい選手になってもらいたいという話をいただいたので、その話を聞いてモチベーションが上がったというか、やってやるぞという気持ちになりました」
―自身から話をしたことは
「僕自身も、最終的には一番になることが目標なので、そうなれるように頑張りますと言わせていただきました」
―プロへの期待、不安、どちらが大きいか
「半分、半分ぐらいです」
―理由は
「期待というよりは、悔しい思いをしたので、やってやるぞっていう気持ちが大きい反面、このままでちゃんと通用するかな、という不安もあります」
―悔しい思いというのは
「(ドラフト会議で)先に東都のメンバーたちが呼ばれていくのを見ていて、うれしさもあったんですけど、すごい悔しい部分もあったので」
―契約金の使い道は
「僕自身はあんまりお金を使う方ではないので、特には考えていないです。お世話になった大学とか、高校もそうですけど、何かしらの形で恩返しができたらなと考えています」
―プロでの意気込み
「まずはしっかりと1年間、けがなくやることを目標に頑張りたいです。チームに貢献できた結果、新人王であったり、何か他のタイトルが取れればと思っています」
―西武のドラフト1位・武内が、細野に負けたくないと話していた
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
「普段から武内と(楽天の同1位)古謝とは連絡を取り合っているので、その2人には負けないようにというか、置いていかれないように頑張りたいなと思います」
―同じ左投手。意識はするか
「そうですね。やっぱり左ピッチャーは結構、意識してしまいます」
―新人王を争うライバルになる
「2人ともパ・リーグですもんね。最終的にそういうタイトルを、僕が取れていたらすごくうれしいなと思います」
―ドラフトの悔しい思いは、今もモチベーションになっているか
「そうですね。まだ、抜かせる人がたくさんいるということ。原動力になっているのかなと思います」
―武内や古謝に勝っている自信がある部分は
「コントロールは負けているので、変化球、決め球の多さは勝負できるんじゃないかなと思っています」
―プロで対戦してみたい選手は
「最近、たまたま楽天の荘司さんと一瞬、話したんですけど、そのときにソフトバンクの柳田選手は対戦していて怖いと言っていたので、僕も体験してみたい気持ちはあります。対戦していて打たれそうな雰囲気があるということだと思います」
―新庄監督が、制球が良くなれば活躍できると話していた。克服できる自信はあるか
「自信というか、そこはちゃんとやっていかないと通用しないと思っている。直りそうだなっていう感覚じゃなくて、直さなきゃいけない」
―制球改善の糸口は
「どっちかというと、ブルペンはそこまで荒れないんですけど、自分の考えがストライクいかなきゃいけないという考えになったときに、荒れちゃっていることが多い。技術的にもそうですけど、しっかり頭を整理して投げられるようにすることが、一番大事なのかなと考えています」
―1月の新人合同自主トレまでに取り組んでおきたいことは
「体をしっかりつくることが一番大事かなと思っています。ウエートトレーニングも体幹もそうですし、走ったりとか、本当に全部ですね。ちゃんと練習をしたい」
―野球以外でやりたいことは
「予定は特にないんですけど、めちゃくちゃ階段を登って、朝日を見るところ知っていますか? 栃木の方にあって、4000段ぐらいの階段があるらしい。動画で見て、一回(直接)見てみたいなと思いました。きれいな景色を見てみたい。ちょっとリフレッシュできたらいいですね」
―何歳まで現役でいたいか
「40歳ぐらいまでちゃんと投げられたら、こんな幸せなことはないんじゃないかなと思う」
―サッカーの三浦知良さんと誕生日が同じ。カズさんのように
「やっぱり長くやることが一番大事だと思うので、それが何歳になるか分からないですけど、長くできるようにしっかり体づくりをしていきたいです」
―先発へのこだわりは
「先発でどこまで通用するかもやってみたいんですけど、そこはもう、どこでも任されたところで、まずはしっかり投げたい気持ちが今は強くあります」
―日本ハムで会ってみたい選手は
「同じ左ピッチャーの加藤(貴)選手が、すごいコントロールが良いイメージがあるので、いろいろ話を聞いてみたいなっていう思いはあります」
■大渕GM補佐兼スカウト部長の一問一答
―きょうはどのような話を
「もう一回、いろいろ整理して、育成プランをしっかり立てようとしてます。彼の意向も、あるいは我々の意向も含めて、どこにゴールを置いて、そのために逆算してどうするか、というのを決めようかなと。あなたが登っているのは大きな山だから、1泊2日で行く登山じゃなくて、1週間かけて行く大きな山なので、別に焦って行かなくてもいいと考えているよ、という話をしました」
―球団は即戦力として考えているか
「即戦力っていう定義が良く分からないですけど、彼と話し合って決めます。中途半端に即戦力になることもできるだろうし、そうじゃなくて、大きな意味で、もっと大きく育てるには今、別に使わなくてもいいんじゃないか、という考え方もあるし。それは分からないので、彼ともう一回、整理しながら、と思っています」
―ゴールはどこに設定するか
「彼がどう言うか。日本代表で戦う人だろうなと思っていますけど」
―仮契約の場で、彼が今後どうなっていきたいか、思いを感じ取れる瞬間はあったか
「その会話をしたときに、すごいピッチャーになりたいんだということを言ってました。お金よりも、僕はとにかく野球がうまくなりたいというような表現をしていました。それでいいと思います。マイペースな雰囲気なので、逆に言えば大物感もあるかなと思います」
―今まで見てきた選手の中で、似ている選手は
「本当に、独自の世界を持っていますね。プロ野球選手としては、重要なこと」
―新庄監督も本人も、制球が課題だと
「そうですけど、そういう細かいことじゃなくて、今までにいないピッチャーでもいいし、ボールを出しながら抑えるとか、そういうことも含めて、彼と話をしていかなきゃいけないなと思っています。新庄監督が言うには、例えば石井一久、フォアボール、フォアボールと出して、三振、三振、三振というピッチャーもいたと。それぐらい幅広で考えて。定型的なもの、プロはストライクゾーンが狭いんだから、あんなんじゃ通用しないとか、そういう話ではなくて、彼が通用するためのスタイルを、我々と一緒につくっていきたいなと。そのためにはすぐに即戦力だとか、開幕ですぐ投げさせるとか、そういう目先のことにこだわりたくないなと僕は思っています。登っている山が違うので」
―スケールの大きい選手になってほしい
「もうすでに、スケールはあるので。その山をどう登るか、ということが大事。中途半端にその辺の山で終わらせない。中途半端に登ったからといって、ちょっと勝ったからといって、その山じゃないんじゃないのと。小さい山を登るんじゃなくて、こっちの(大きい)山だから、やることが違うよね、という話をしようと思っているし、それを理解していると思います」
―一番大きな山を登る
「日本の山ではなくて、世界に通じる山。つまりは、野球選手で言えばジャパンの選手として投げる人。国内でローテとか、そういう話ではなくて。そこを目指すためには、今すぐ即戦力で、とか、そういう目先のことにこだわりすぎないように。課題があるのはもう、お互い分かっているので。大きな目標を前提に。みなさんが言う、新人王とか、10勝とか、そういうことではなくて、彼の5年、10年先のことを定めて、一緒に計画を立ててやっていきたい」