女子・旭川志峯が3年連続4強入りで全国初王手 MB山保ななみが14得点【春高バレー北海道予選】
■全日本バレーボール高校選手権北海道代表決定戦 第3日(11月17日、札幌・北海きたえーる)
▽女子3回戦 旭川志峯2-0札幌北斗
▽同準々決勝 旭川志峯2-0白樺学園
今春、旭川大学高から校名変更した旭川志峯が3年連続4強入りを果たし、初の本大会出場に王手をかけた。白樺学園戦ではチーム最長173センチのMB山保ななみ(2年)が最多14得点をマーク。準決勝では公式戦未勝利の女王・旭川実業撃破に挑む。
ミドルブロッカーが攻撃の中心の珍しい布陣
山保がコートの真ん中から強烈なスパイクを何度も相手コートに叩き込んだ。「きのうはあんまり決定率がなかったけど、きょうの札幌北斗戦から高さとかコースとかを狙って、いつも通りできた」。ミドルブロッカーが攻撃の中心の珍しい布陣。「ラリーになったら最後はレフトとかサイドに行きがちなんですけど、必ず私が最後に決めるって全体の決めごとがあるので、それを覚悟してちゃんと開いたりとかブロックに跳んでからの下がりを早くしたりを練習してきました」と、大黒柱として悲願達成へチームをけん引する。
3歳時、石巻市で東日本大震災被災
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山保は日本製紙旭川工場で勤務していた父の転勤先、宮城県石巻市で生まれた。2011年3月、3歳の時に東日本大震災で被災。家族で避難所を転々とし旭川に転居した。「当時の記憶はあまりないです。被害が大きかったって言ってましたね」。日本ハム・松浦慶斗投手(20)とは当時の社宅が一緒で幼なじみだ。
昨年の大会で公式戦デビュー
旭川志峯では昨年の大会で公式戦デビュー。4強入りを果たしたが、準決勝の札幌山の手戦で第1セットを先取しながら2セット連続で落とし逆転負け、あと一歩及ばなかった。
夏期間にサーブとブロック強化
今夏の総体予選は4強入りを果たせず、冬に向けてサーブとブロック強化に取り組んできた。サーブはスピード向上に特化。最低60キロ超え、65~70キロ台を目指して打ち込んだ。さらにコート角にイスを置き、全員が当たるまでは終わらない地獄のメニュー。全員が60キロを超えるようになりコントロールも増した。
ブロック強化には3キロのメディシンボールを利用。1人連続で5回、両手でネットの高さまで持ち上げ、相手コートに落としてから通常のブロック練習を繰り返した。「空中での強さが出て、あんまり飛ばされなくなったり、ボールを前に落とせるようになりました」と、強烈なスパイクに力負けしないブロックを手に入れた。
旭川実業のU19日本代表・笠井の対策徹底
全国に行くには避けて通れない壁、旭川実業のU19日本代表OH笠井季璃(3年)を想定し、台の上から打ったスパイクをブロックする練習に取り組んだ。「普通に飛んだら高くて届かないので、タイミングを遅らせるとか、位置取りの練習とか。まだ大会で1回も勝ててない相手。自分たちは練習でたくさん対策してきて強くなってると思う。笠井さんをちゃんと抑えて勝てるようにしたい」。その成果を発揮する時がきた。
昨夏甲子園出場の兄・亮太に続き全国射止める
昨夏、同高野球部が甲子園に出場。主力だった兄・亮太さん(国学院大1年)の応援に大阪まで駆けつけた。試合は大阪桐蔭に敗れたが全国大会で活躍した兄を見て「憧れました」。今度は自らが大舞台に立つつもりだ。