【赤黒戦士、シンジを語る】⑧鈴木智樹強化担当 出会った時から変わらず素敵な方
〝天才〟MF小野伸二(44)の素顔に迫る「赤黒戦士、シンジを語る」。今回は特別編として北海道コンサドーレ札幌OBで、現在はチームの強化担当を務める鈴木智樹さん(38)の証言。(以下敬称略)
自主練習で小野のパス相手担当
全体練習終了後の自主練習を行っているピッチ上でよく目にする光景がある。サッカーコートの両サイド程度の距離で、小野と鈴木がパス交換をしているシーンだ。「伸二さんが来てすぐぐらいからやっていますね。僕もわりとちゃんと(パスを)返せる方だと思っているので(笑)。やれるんだったらということで付き合ってくれているんじゃないですかね」。
「毎度毎度幸せを感じますね」
日本サッカー史上に名を刻む天才とのパス練習を「幸せです」と語る。「毎回僕なんかに一緒にやろうと言ってくれるのも、強化と選手という立場もあるかもしれないけど。実際に蹴っていて、止めるのもすごいし、蹴っているボールの質もすごい。毎度毎度幸せを感じますね」。何度も〝幸せ〟と口を突くのは、一人のサッカー少年として純粋に小野に憧れる気持ちを抱いているから。
13年「小野伸二獲得」プロジェクトに立ち合う
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2004年に札幌U-18からトップチームに昇格し、08年限りで現役を引退。翌09年から札幌の強化部スカウトに就任した鈴木は、13年に『小野伸二獲得』の大プロジェクトに立ち合うこととなった。翌14年に加入が決まった時、「強化の立場で言うと『えっ』て思われてしまうかもしれないけど(笑)、僕の子供の頃の憧れは小野伸二さんや稲本潤一さん、遠藤保仁さんだったので、その小野さんが札幌に来ることになって、正直少年のような心になりました」と振り返る。
空港出迎え時にユニホームもらう
14年に小野が来道した際、空港へ迎えに行ったのは鈴木だった。「小野伸二さんを迎えに行くことで本当に緊張していた中で、実際にお会いすると本当に気さくで優しく、飾らなくて素敵で。最初に送迎した時に『お礼だ』と言ってオーストラリアのチームのユニホームをくれて。こんな僕にもそこまでいろいろ考えてやってくれるんだな、すてきな方だなって思いましたね」。
人としての振る舞い、接し方を勉強
最初に小野が加入してから10年近い月日が経過したが、小野への思いは第一印象から変わることがない。
「変わらず表裏なくみんなに平等に優しくて。本当にこんな人がいるんだって、人として勉強になることがすごく多い。僕も伸二さんを見て、サッカー以外のところでも人としての振る舞いだったり接し方はすごく勉強になっています。本当に出会った時から今も変わらず素敵な方ですね」。
小野の今後についてまだ正式なアナウンスはないが、引退後もクラブに携わり続けることが示唆されている。そこでもまた小野と鈴木のコンビが札幌をさらなる高みへ押し上げていくシーンが見られることを願う。