道産子左腕の根本悠楓 勝利を呼び込む3回1安打無失点 決勝の韓国戦で躍動
■アジアプロ野球チャンピオンシップ
▽決勝 韓国3ー4日本 ※延長十回タイブレーク(11月19日、東京ドーム)
2点ビハインドの五回に2番手登板 「100点です」
日本ハムの根本悠楓投手(20)が19日、韓国との決勝で〝MVP級〟の活躍を見せた。2点ビハインドの五回に2番手でマウンドへ。自己最速タイの150キロをマークするなど3回1安打無失点で、4奪三振とほぼ完璧なピッチングを見せ、流れをグッと引き寄せた。「無失点で抑えられたので、そこから点数も入ったので100点です」と、はにかんだ。
カウント3ー0から先頭を取り乗った 七回はピンチにも動じず
これ以上、点を与えられない場面。初戦の好投で首脳陣のハートをつかんだチーム最年少の道産子左腕が、その起用に結果で応えた。先頭にカウント3ー0とボールが先行し、「ちょっとやばいかなと思った」と言うが、遊ゴロに。2死から見逃し三振を奪うと、グラブを叩いて感情を爆発させた。
続く六回は、危なげなく3者凡退。七回はバント安打と犠打で1死二塁のピンチを背負ったが、空振り三振、遊ゴロに仕留め、無失点で切り抜けた。「いつも先発をやっているので、とくに3イニングくらいなら全然いける」と頼もしかった。
すべては自分次第 中学時代から持つブレない信念
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プロ3年目の20歳。あどけなさが残るが、芯の強さを持つ。白老白翔中3年の時には全国中学軟式大会決勝で完全試合を成し遂げ、「U15アジア選手権」では日本の優勝に貢献。一躍脚光を浴び、強豪校から誘いを受けたが、甲子園出場経験がない苫小牧中央に進学した。「あそこの高校に行くと決めていた。(他から誘いは)ありましたけど、あまり興味なかった」
「自分でちゃんと練習すれば、プロに行ける」
ぶれない信念があった。「どこの高校に行っても、プロに行きたいと思っていた。自分でちゃんと練習すれば、プロに行ける。さすがに取り組みが甘すぎる高校は行きたくなかったですけど、甘すぎる高校ではなかった。プロに行けるかどうかは、自分次第かなと思ったんです」。もう1つ理由があった。「あと、寮に入りたくなかった。寮が嫌なので、ホームシックになるかなって」と、自宅から通える高校を選んだ。
成長著しい20歳 プロ入り後初の国際舞台で堂々のピッチング
U15日本代表に選出された中学時代は、人見知りを発揮。チームメートとまともに会話することができなかった。緊張していたため、当時のことはあまり覚えていないという。「初登板の時に2者連続四球を出しました。たしか…」。プロ入り後初の国際大会では、2試合で計5イニングを投げて無失点。フォアボールは「0」と確かな成長を示した。
確かな手応え 来季への自信
世界の大舞台で堂々のデビューを果たし、「めちゃくちゃ緊張しました。いつも先発なので全然違う緊張感で結構、疲れました」と苦笑い。「今回は中継ぎだったんですけど、こういう大きい舞台を経験できたので、来年以降のピッチングにつながればいいかなと思います」と言葉をつないだ。
若き道産子左腕は、北海道の大きな希望だ。