コンサドーレ
2023/11/27 16:00

【道スポ紙面で振り返る「赤黒のシンジ」座談会】②盟友・稲本加入、札幌初ゴールから2戦連発

 

歴代番記者3人 当時の紙面を読みながらあれやこれや

 今季限りで現役を引退する北海道コンサドーレ札幌のMF小野伸二(44)の特集第2弾『道スポ紙面で振り返る「赤黒のシンジ」座談会』。第2回のテーマは、黄金世代の盟友である元日本代表MF稲本潤一(44、現・南葛SC)が加入し、小野が待望の移籍後初ゴールを決めた2015年シーズン。月刊コンサドーレ松木純編集長、道新スポーツデジタルの中村真大デスク、サポーター歴20年以上の現在の担当・工藤友揮記者が紙面を読みがら当時を振り返った。(以下、敬称略)

 

<2014年12月20日付1面>

 

松木「前年の小野の加入にも驚いたけど、稲本の加入にも驚かされた」

中村「ワールドユースで準優勝して、W杯にも一緒に出場して活躍した2人が、まさか札幌でチームメートになるなんて想像もしていませんでしたね。日韓W杯で稲本がゴールを決めた喜びの時に小野と抱き合っていた。そんなシーンが札幌でも見られるのかと」

工藤「14年の最終戦セレモニーで野々村社長が『稲本にオファーしています』と言ったときには札幌ドームがどよめいてました。最後は福岡との2択になっていたと思うんですけど、この日の朝起きたらローカル番組のトップニュースでこの紙面が紹介されて、札幌を選んでくれた喜びと、ホっとした気持ちを感じてました」

中村「ボール奪取の能力に優れる稲本がボランチで守備のバランスを取って、小野の守備の負担も減るんだったら、よりファンタスティックなプレーが見られるんじゃないかと、想像していたらドキドキしたね。あと、若手選手にとっても、これ以上ないお手本が2人も揃ったなと」

 

<2015年10月5日付1面>

 

 

松木「この年はケガで夏頃まで試合から遠ざかっていたこともあって、加入からちょっと時間がかかってしまったけど、10月4日のアウェー東京V戦で小野のリーグ戦初ゴールが生まれた。見出しにもあるけど、まさに天才がついに目覚めたという日だったな。国内では1442日ぶりのゴールだって」

工藤「アウェーでしたし、テレビで見てましたね。ナザリトからパスを受けて、まさにゴールにパスをするようなシュートでした」

松木「(写真を指して)荒野も若いね。小野の先制点が決勝点になって、上里がダメ押し。(メンバー表を指して)都倉もいたし、このときの札幌も良いメンバーがいたんじゃないかな。深井も宮澤もいる。そういえば、ナザリトってそこそこやったんだっけ?」

工藤「序盤は良かったんですけど、途中からピタッと点が取れなくなって…」

中村「都倉との相性もそんなに良くなかった気がする。布陣を見ると、その2人をトップ下の小野がコントロールしていた感じかな。守備では、河合竜二の存在も大きかったね。小野とも浦和時代からのつながりで信頼関係も厚いし」

工藤「先日、河合CRCと話をしたときに、小野とプレーした中で印象に残っている試合として、この試合を挙げていましたね。当時の道新の記事を読み返していたら、その日の試合前に小野から直接『今日は点を取る』と言われていたことが書かれていて、そういえばそんなことを言っていたなと思い出したって」

松木「得点直後は河合と抱擁したと、この記事にも書いてあるね。『入ると思っていたし、入る自信もあった』という力強いコメントもいいね」

 

<2015年10月11日付25面>

 

松木「初ゴールまでは時間がかかってしまったけど、次の試合で2戦連発となるゴールを決めた。初ゴールの紙面でも『勝った次の試合が大事。続けていかないと意味がない』と話していたとおり」

中村「まさに有言実行。荒野のクロスにニアに入ってきて詰めたゴールでしたね。四方田監督就任後初の2連勝もプレゼントした形になった。看板を飛び越えてゴール裏のサポーター席近くまで行ったことはすごく覚えている」

工藤「初ゴールをテレビの画面越しで見て、現地で見た人たちをうらやましいなと思っていた矢先に厚別でも決めてくれて。小野のゴールを目撃できたことも嬉しかったし、何よりも試合終盤の勝ち越しゴールだったというのが最高でした。ゴール裏席の前で選手の喜びの輪ができていて、こちらも大盛り上がりしていた記憶があります」

中村「ホームで初めてのゴールだったから、サポーターの前に行きたかったんだろうね。厚別だったからというのもあったんじゃないかな。札幌ドームだったら行っても落ちちゃうから(笑)」

松木「アンデルソン・ロペスみたいにか(笑)」

中村「あれは衝撃的でした」

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