コンサドーレ
2023/11/28 18:00

札幌三上大勝GM特別インタビュー【小野伸二がくれたもの】①小野はなぜコンサドーレを選んだのか

23年のサポーターズデーで挨拶をする三上GM(中央)

 いよいよ北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二(44)の現役ラストゲームとなる浦和戦(12月3日、札幌ドーム)が目前に迫ってきた。道新スポーツでは札幌を運営する(株)コンサドーレの三上大勝代表取締役GM(52)に、小野にまつわる単独インタビューを実施。獲得に至る経緯や札幌にもたらしたさまざまな影響、そして気になる小野の今後についてなどを3回に分けて掲載する。第1回は2014年の小野獲得に向けたクラブの動きを振り返ってもらった。(聞き手・工藤友揮)

 「札幌が小野伸二獲得へ」。今からさかのぼること10年前の13年12月20日に報道各社が一斉にそのニュースを報じ、札幌サポーターはもちろん、全国のサッカーファンに大きな驚きをもたらした。その約1カ月後の14年1月16日にクラブが仮契約の締結を発表。同年6月9日に正式な加入発表とさっぽろテレビ塔での加入会見が行われ『コンサドーレの小野伸二』としての歩みが始まった。

世界を知っている人間がいるのは大きい

―改めて小野獲得を目指した当時のクラブの考えを聞かせてください
 当時、野々村(現・Jリーグチェアマン)と僕の方でさまざまなことをやっていく中で、今後のクラブの在り方として今もクラブスローガンとして掲げている『北海道とともに、世界へ』を打ち出しました。チームとしてクラブとしてスローガンを実現するためにどういう方法があるか。チームとしてはACLを目指してやっていく、もしくは札幌の赤黒のユニホームを着ている選手が日本代表になっていく、海外のチームへ移籍していくを具現化しようと考えていて。その際に世界を知っている人間がいる、いないの違いは大きいよねという考えに至りました。

2021年12月、宮の沢でインタビューを受ける三上GM

 

一番に『小野伸二』という固有名詞が浮かんだ

 世界を知っている人間と言っても、クラブのフロント業務での経験を知っている人もいれば、選手で経験をしている人もいる、監督でもしくはスタッフで知っている人もいる。一つ一つやれることをやっていこうという中で、選手としてそういう世界を知っている、体現することができる、そしてその背中を見せることによって周囲に感じさせることができる選手を加入させていく方針の中で、誰がいるかとなった時にやっぱり一番に『小野伸二』という固有名詞が浮かんだので、動向をリサーチしていこうとなったのが一番最初のところですね。

―当時野々村社長が出演していた番組に小野がゲスト出演した際、冗談っぽく札幌への加入を誘ったことがありましたが、あの時は既に獲得へ向け動き出していたのか
 同時期ぐらいだったと思います。

―野々村社長の頭の中にそういう考えがあった上での発言だったのか
 ただ当時の状況として僕が伸二の代理人と言われる方とコンタクトを取らせてもらっていたが、伸二自身が僕らがそういうことを考えていることを知っていたかどうかはちょっと分からないような時期でした。

移籍交渉は比較的難しくはなかった

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