J2藤枝に期限付き移籍していた札幌MF田中宏武が全体練習に合流 ハングリー精神で来季へ躍進
■11月29日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
雪を呼んできた?
7月にJ2藤枝MYFCへ期限付き移籍していたMF田中宏武(24)が、北海道コンサドーレ札幌の全体練習に合流した。J2でのリーグ戦を終え、前節FC東京戦のメンバー外の選手で実施された25日の練習に参加。それからは宮の沢のピッチに雪が積もる状況が続いており、「僕が帰って来てからすごいと聞いているので、(復帰を)あんまり喜ばれてないですね」と苦笑いを浮かべる。
成長を求めて移籍決断
移籍する前はカップ戦6試合に出場してアシストも記録したが、リーグ戦では4月に1試合ベンチに入ったのみで出場は無し。さらなる成長を求めて藤枝へ行くことを決断した。
ピッチ外のことも全て自分で準備
藤枝での日々を振り返り、「札幌が恵まれた環境というのは分かっていたことではあったけど、練習も人工芝(のグラウンド)だし、クラブハウスもここまで大きい規模ではなくて」と、ピッチ外でも苦労が多かったという。洗濯や用具の手入れは自身で行い、練習試合へも自分たちの車で移動。食事も3食全てを自分で準備した。
成り上がろうとするJ2の選手たちに刺激
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ハングリーさを感じたのは環境だけではない。そこでプレーする選手たちの姿からも強く感じさせられた。「上にのし上がって行こうというような貪欲な選手がすごく多かった。去年までJ3にいたチームがJ2に上がってきて、僕が移籍した夏のタイミングで2人がJ1に上がって行って。活躍すれば自分たちにもチャンスがあるんだというのを選手全員が感じていましたし、練習からみんなが監督にアピールするぐらい上に行こうという気持ちが大きいチームでした」と刺激を受けた。
自身も懸命にアピール
J1チームから来た、という肩書など通用しない。田中宏も試合出場のため懸命にアピールした。「そこに負けないようにやっていけました。もちろん札幌でもそれはあると思うんですけど、ここよりも入れ替えが激しい1年でした。その週に調子が良かったら使われるということも多かったですし、そういうこともあって、本当に毎日が勝負という感じの環境」で自らを磨いてきた。
西野、馬場と仲良し3人でオフを過ごす
前日までの2日間は札幌に戻ってきてから初めてのオフ。27日はDF西野奨太(19)ともつ鍋を食べに行き、28日にはDF馬場晴也(22)と西野という仲良しトリオで休日を過ごした。「(2人は)全然変わってないですけど、なんか西野が(髪に)太いバンドを付けてました。たぶん(馬場に)憧れて付けていたんだと思います」と笑顔で口にするなど、移籍を経て3人の友情は深まったようだ。
小野のラストマッチは規定上出場できず
今季はもう札幌での試合に出場はできないため、浦和との最終戦(12月3日、札幌ドーム)はスタンドから見守ることとなる。その一戦はMF小野伸二(44)の現役ラストゲームでもある。「もちろんチームが勝てれば最高の結果ですし、僕が言うのも何ですけど、伸二さんは出れば絶対に何かをやってくれる選手。ピッチにいるだけで『早く伸二さんのところにボールが行かないかな』と思わせられる選手だと思うので、ドームが沸くようなプレーを期待しています」と、天才のラストダンスを待ちわびる。
「来年キャンプから良い形で見せられれば」
藤枝では8試合出場(うち先発1試合)で2アシスト。激しく厳しい競争から得た成果を、来季キャンプからアピールしていく構えだ。「ここで勝負するために行った半年間なので、それを来年キャンプから良い形で見せられれば良いかなと思っています」。全ての面でひと回り成長した姿を来季のピッチで示す。