若きスラッガー野村佑希 盟友・吉田輝星との熱い〝サシ飲み〟秘話 「2人で夢物語をしゃべっていました」
2軍施設のある鎌ケ谷で自主トレ 盟友への思い語る
また一緒に野球がしたい―。日本ハムの野村佑希内野手(23)が29日、千葉・鎌ケ谷で練習を行い、オリックスに移籍した吉田輝星投手(22)への思いを明かした。同学年で、2018年ドラフトの同期。入団後は2人で食事に行くことも多く、夢を語り合って親交を深めてきた。
号泣した同期5人での食事会
トレードの一報を聞いた際は寂しさがこみ上げ、直後に柿木、万波、田宮と高卒同期5人で行った食事会では号泣。「もう最後…みたいな感じで泣いて終わって、次の日起きたら、あいつまだ普通に寮にいるので、ちょっと恥ずかしかったです」と照れ笑いを浮かべた。
輝星世代を自認 プロ入り後は切磋琢磨
野村にとって吉田は、同世代の代表的存在だった。「やっぱり、僕らの代の甲子園があれだけ盛り上がったのも、輝星の力。ドラフト1位でチームに入ってきて、僕はずっと輝星の世代だなって思っていた。最初に1軍で勝ったのも輝星。あいつに負けないようにという気持ちでやってきたので、特別ですよね、僕らの世代からしたら」と常に意識する相手だった。
本音でぶつかり合える仲 2人で酒を酌み交わした日々
入団から5年間、同じ寮に住み、苦楽をともにしてきた。「プライベートは結構、2人でご飯に行っていました。『僕らの代、みんなで頑張っていこう』とか、『勝ちたいな』みたいな話をいつもしていましたね。野球の技術とかの話より、そういう話が多かったです。お酒飲んで、ちょっと熱くなって話している感じ」。何度も酒を酌み交わし、本気の思いをぶつけあってきた。
ともに目標としていたシーンとは
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〝サシ飲み〟で語り合う中で、共通の目標も生まれた。「本当に単純なことですよ。輝星と(柿木)蓮が投げて、田宮が捕って、僕とマンチュー(万波)が打つこと。みんなで活躍したいなっていう、夢物語をしゃべっていました」
こらえきれない涙 「僕が打てなくて勝てなかった」
縁あって、同時に同じチームに入った同学年の5人には、育んできた強い絆がある。27日に行われた選手会納会の2次会では、揃ってカラオケに興じた。そこでも、真っ先に涙を流したのが野村だった。
「僕はもう、その場に行った瞬間に泣いていました。歌うとか歌わないの前に。お酒も入っていたので、いや何か、本当に最後か…と思って」。頭に浮かんでいたのは、吉田が投げる試合で打てなかった自分の姿。「去年も秋田であいつが先発した時とか、僕が打てなくて勝てなかった試合があった。何とか輝星と一緒にヒーローインタビューを受けることを夢見ていたので、それがかなわないままで…。寂しかったです」。もっと、輝星と同じチームで野球がしたかった―。考えれば考えるほど、あふれるものをこらえられなかった。
胸躍る真剣勝負 来季からはリーグVを争うライバル
来季からは、正真正銘のライバルになる。オリックスは同じパ・リーグ。今後は何度も対戦する可能性がある。「楽しみですよ。(対戦したら)1年目のシートバッティング以来。最初の対戦は本当に大事にしたいですし、楽しみたいです。(ホームランではなく)ライト前とかでもいいかなと思いますね、逆に」と笑顔で盟友対決を想像した。
球宴、侍ジャパン…膨らむ希望 まずはともに成長を
高みを目指し続けていれば、どこかで同じユニホームを着る日が来る。ともに結果を残せば、球宴や侍ジャパンで共闘するチャンスもある。「オールスターは、僕も一回棄権して、もう一度出たい思いもありますし、輝星もあれだけ人気があるので、活躍したらすぐ選ばれると思う。いつか一緒に野球ができたらいいなと思うので、とにかく今いる場所で一生懸命やるだけです」。夢物語の続きを信じて、野村はきょうもバットを振る。