日本ハムの上原健太投手(29)が1日、エスコンフィールド北海道で契約更改交渉に臨み1600万円アップの4000万円でサインした。大卒8年目の今季は19試合に登板し、キャリア最多の4勝をマーク。計100イニング以上を投げ、先発ローテーションの一角を担った。このオフは明大の1学年先輩で同じ左腕の山崎福也投手(31)が、オリックスからFAでチームに加入。ライバルの出現に対抗心を燃やした。一問一答は以下の通り。
【日本ハムの契約更改一覧:12月1日時点】
―サインは
「はい、しました。アップしていただきました」
―想定していた金額と比べて
「このくらいの評価をしていただけて、本当にうれしいなという金額を提示してもらいました」
―球団から伝えられた言葉は
「今シーズンはキャリアハイの成績を収めることができたので、来シーズンはまたスタートから期待しているというふうに言っていただきました」
―自身から球団に伝えことは
「毎年、春先に苦しんでいるので、来シーズンは最初からしっかり頑張ってシーズンを完走したいと言いました」
―今季を振り返って
「これまでにない経験をできたシーズン。シーズンを通して1軍で投げるイメージというのが明確にできた、というのはすごい一番大きな手応えだったかなと思います」
―状態が上がっていなかった春先や2軍で調整していた時期を振り返って
「毎年、同じことの繰り返しなので。ケガをしているか、なかなか良い投球ができないか。それを毎年繰り返している…。今年もそうだったんで、また今年もかという印象だったので、そこはどうにか来年こそは改善していきたいなと思います」
―その時期を乗り越えてキャリアハイの数字。きっかけは
「これまでは、打たれることが怖い。打たれて、打たれて、点を取られることが怖い。抑えないといけない、きれいなピッチングをしないといけないっていうのがあった。立場上、どうしても完璧に抑えたい。なんか、そういうふうにとらわれすぎていたのかなっていうところが大きくて。今年はボスのひと言で、フォアボールを出すな、3つ出したらファームねって言われて、打たれることよりもフォアボールの方が怖くなった。フォアボールが何よりも怖いので、そう思ったら、打たれることが怖くなくなり、どんどんストライクゾーンに投げていくっていう感覚をつかむことができました。それがものすごく大きかったです」
―これまでの野球人生で、それほど響いた監督の言葉はあったか
「もちろん栗山さんの言葉も、ものすごく響く言葉を会う度に掛けてくださった。ただ、それに応えることができなくて。どういうふうに応えていいけばいいのか、どういうことをすればいいのか。そこが全然分からず、何も変わることなく、ここまで来てしまった。やっとそれが今年見つかったというか、明確なモノがはっきりできた。そこをしっかり表現することができたというのが大きかったと思いますね」
―人生初の9回を投げ切る試合もあったが、印象に残った試合は
「あの日は試合前にボスから『ピッチャーは先発完投だから。それができないとローテーションでは回っていけないよ』と言われた。投げたことがないので、それは困ったなって思った。それもすごく印象のある試合だけど、僕の中では交流戦のベイスターズ戦が一番。ベイスターズに2試合投げさせてもらって、フォアボール0で9安打くらい打たれて4回4失点。ただ、それでもいい、それでも合格って言われた。その一言で、打たれることが怖くなくなった。そこが今シーズンのターニングポイントだった」
―オフは何を取り組みたい
「まずは今シーズン、ストライク先行できたところを継続していきたい。最近のプロ野球界はピッチャーの球がどんどん速くなってきている。その中でも負けたくないですし、武器となる球、強い真っすぐ、何か1つ武器になる変化球。そういうところを、もっと磨いていけたら」
―数字の目標は
「規定投球回。今シーズン、100イニングを初めて投げさせてもらって、規定投球回がどれほど遠いものなのか、どれほど価値のあるものなのかを本当に感じました。加藤(貴)さんや上沢、大海が規定を大きく上回った。この3人は、毎年こんなにすごいことをやっているんだと、あらためて実感したシーズンだった。来シーズンは上沢がどうなるか分からないけど、そこに割って入れるように。そういうイメージを持って取り組みたい」
―先発陣には明大の先輩の山崎福也も加わる
「厄介な…ライバルが来たなと(笑)。先輩なので仲良くしてほしいですけど、闘志はしっかり持って競っていきたいなと思います」
―自主トレの予定は
「やりたいことだったり、必要なことっていうのは明確になっている。そこを重点的にやっていくべきかなと思っています」
―具体的なプランは
「鎌ケ谷で自分のやりたいことをやろうかなと思っています」
―来季はともに戦う家族もいる
「そうですね、これまでも本当に支えてもらっていましたし、僕中心の生活について来てくれたということはすごく感謝しています。来シーズンは、さらに責任感を持って、しっかり養っていくためにも、成績を残していきたいなと思います」
―ファンへ
「今シーズン、キャリアハイの成績を残すことはできたけど、チームの勝利に貢献できたかというと、ちょっとまだまだやることがいっぱいあるので。やっぱり来シーズン優勝したいですし、その輪の中にいたい。そういうつもりで来シーズン戦っていきたいなと思います」
―春先4月に結果を残すためにどういう取り組みを
「これまで色々とやってきたけど、どれも不発だった。ちょっと早いタイミングから対バッターに投げてみようかな? って考えてます。バッティングピッチャーであったり、実戦形式というか。そういう感じでシート打撃だったり。打ちたい人がいれば、その人に投げて対バッタ―の感覚を早めにつくっていけたら、また何か違うんじゃないかな」
―キャンプ前から鎌ケ谷で取り組むか
「そうしてみようかなと思ってます」
―今年は山崎福に投げ勝った。連絡などは
「僕も報道を見て、この記事、本当ですか? と。その前に聞いたけど『まだ言えない』と教えてくれなかった。『来年から同じチームだから宜しくね』と返ってきたので、この記事、本当なんだなと」
―シーズン中も会話していた。あたらめてチームメートになって聞いてみたいことは
「うれしい気持ちはもちろんあります。やっぱり優勝したいので、チーム力を考えると大事な戦力。来ていただけるのはうれしいけど、個人としては本当にライバルなので。似たような背丈で似たような角度を持っていて。実績はもちろんサチさんの方が上。これまでは背中を追ってきた立場だった。来季からはライバルとして勝負していきたい気持ちです」
―大学時代の接点は
「大学時代はよくスピードを競ってました。何かと勝負していた。勝てるものはあまりない。これからは勝てるようにやっていきたい」
―学生時代に勝ったものは
「ないんじゃないかな。勝てるのは足の速さぐらい」
―打撃が良いのも共通点
「共通点とかって比じゃないですよ。レベルが違うので。甲子園で記録持っている人ですから」
―一時期は二刀流に取り組んでいた。その辺を球団と話したか
「最後の方にちょろっとだけあったけど、僕としては球団から『もういいよ、もうやめろ、もうするな』と言われない限りは、一度始めたことはやり通すと決めている。それは言われなかったので、こっそり、ひっそりと続けていこうと思います」
―成績を残しても投手1本にはならなかった
「逆にどうする? って言われました。決定権、こっちにあるんだなって思いました。それなら、やめます。とはならないので」
―オフも打撃練習は
「そうですね。何があるか分からないので」
―野手としての目標は
「ないですね。試合に出られるチャンスがあればいいけど。そのレベルに達して1軍にいる選手たちに勝たないといけないのはハードルが高い。まずは勝負できる自信を付けることが大事。できればファームでも実戦を経験できればいいけど、うれしいことに1軍にいるとその経験ができない。レベルアップするのは、なかなか難しい。誰かが見てくれているわけでもない。その中でやっていくのは難しかった」
―1軍帯同中に今年は打撃練習は
「今年は自分で見つけるしかなかった。練習中はもちろんピッチャーの練習をして、野手がいない時間、いないタイミングで、こっそりバッティングして、野手が来たら逃げた(笑)。先発なので、先帰りがあって寮の室内で打ったり素振りしたり、そういうことしかできなかった。こんなんじゃレベルは上がらないなと思ってたけど、できることはやろうと思ったので、来年もそうなるのかな」
―結婚発表が生田目と同時で話題になった。何か話し合っていたのか
「いや、してないですね。ただ発表のタイミングどうしようかなって時に、その日に生田目もするみたいな感じだったので、じゃあ、もう一緒でいいんじゃないですかって。そしたら生田目と結婚したみたいになった(笑)」
―もう一緒に住んでいる
「生田目とですか?(笑) じゃないですよね。はい、住んでます。かなり助けてもらってます」
―食事面のサポートも
「めちゃめちゃ栄養の事とか、登板までに何を摂っていくとか、ちゃんとやってくれる。こっち(北海道)に来てると、食事の写真を送れって言われて、もっとこれを摂れ、あれを摂れっていうふうに指示してくれる。ストレッチも手伝ってくれます。本当なんでもやってくれる。すごい助けてもらっているので、そこはすごい感謝してます」
―アップ分でプレゼントを
「何か買ってあげたいなと思います」