札幌MF小野伸二 4145日ぶり先発でラストゲーム 「少しでも長くピッチの上に立てるように努力していきたい」
■12月2日、札幌ドーム
ペトロヴィッチ監督が先発示唆
北海道コンサドーレ札幌は2日、浦和戦(札幌ドーム、3日14時キックオフ)に向け、パス練習やセットプレー練習などで最終調整を行った。この試合を最後に現役から退くMF小野伸二(44)は前日トレーニングでもフルメニューを消化。1998年にプロキャリアをスタートさせた古巣とのラストゲームに向け態勢を整えた。練習後、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)が小野を先発で起用する予定であることを示唆。清水時代の2012年7月28日アウェー横浜M戦以来4145日ぶりのJ1リーグ戦スタメン出場で、天才がラストダンスを披露する。
体調は「痛みも和らぎ、それなりにいい」
12時16分、チーム最年少のDF西野奨太(19)の「お疲れさまでした」のかけ声に応じてチーム全体で手拍子を打ち、浦和戦前日の全体練習が終了。その後各選手が個別練習を行う中、現役生活最後のチームトレーニングとなった小野は名残惜しそうに最後までDF福森晃斗(30)とパス練習を行った。練習後、報道陣の取材に応じ、常に悩まされ続けてきた足の痛みについて「今のところ痛みも和らいでますし、今週はそれなりにいいんじゃないですか」とコメント。現役最後のピッチに足を踏み入れる準備は整ったようだ。
監督「素晴らしい雰囲気の中でピッチを去る舞台をつくり上げたい」
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小野の取材前に行われたペトロヴィッチ監督の囲み取材でサプライズが起こった。「伸二に関しては、私自身スタートから出てもらうことを予定している」と先発起用を示唆。「素晴らしいスタジアムの雰囲気の中で彼がピッチを去る、そういった舞台をみんなでつくり上げていきたい」と、札幌ドームに集まる大観衆の期待に指揮官もしっかり応えるつもりだ。
「全力で勝ち点3を取りに行きたい」
前売り券が完売し、小野が琉球へ移籍することが発表された19年8月10日の浦和戦以来となる3万人超えが予想される明日の一戦。小野は「自分の最後とかそういう感覚ではなく、シーズン最後の試合としか(感覚が)なくて。最後、超満員の中でプレーができることに感謝して、そういう感謝の元に試合を楽しんで、最後勝って終わりたい。みんなで全力で勝ち点3を取りに行きたいなと思います」と意気込みを語る。
これまで四半世紀以上にわたって日本の、そして世界のサッカー界を魅了してきた小野だが、浦和戦で観衆に見せたいプレーについて問われると「1人でサッカーをやるわけではないので。チームとして、チームが持っているコンセプトの下に、その中で自分の持ち味を出して、少しでも長くピッチの上に立てるように努力していきたいなと思います」と、あくまでも11人の中の1人としてチームが掲げるタスクを実行することに重きを置き、最後の瞬間までフォアザチームの精神で戦い切ることを誓う。
23年12月3日、札幌ドーム。稀代の天才の最後の勇姿をその目に焼き付け、忘れられない記憶を脳裏に刻み込もう。