《浦和戦前日》素晴らしいスタジアムの雰囲気の中で小野がピッチを去る舞台をみんなでつくり上げていきたい
■12月2日、札幌ドーム
―前節のFC東京戦では3-1で勝利。いい感じで最終戦へ臨めそうか
後半戦に入ってなかなか結果が出ない中でかなり苦しい時期もあったが、ただこの3試合では(勝ち点)7ポイントを取れて、チームとしては非常にいい状況で試合ができている。チームの雰囲気もいい雰囲気で過ごすことができている。
―浦和戦は小野の現役最後の試合。小野の起用法は
(小野)伸二に関しては、私自身明日はスタートから出てもらうことを予定している。どの状況の中で交代するかは試合の展開を見ながら決めると思うが、予定としてはそういう予定だ。
伸二の現役最後のゲームだが、どれだけの時間出るかということが問題ではなくて、彼が試合に出て多くの人に見守られながら現役を終えていくスペクタクルな試合、そしてみんながしっかり彼を見られることが大事だと思うので、素晴らしいスタジアムの雰囲気の中で彼がピッチを去る、そういった舞台をみんなでつくり上げていきたい。
言葉では言い表せられないぐらいの貢献
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―監督にとって小野はどういう存在か。また、最後にどういう姿を期待したいか
伸二は私が語るまでもなく、日本のサッカー界の中でも素晴らしい功績を残した選手だと思う。日本のサッカー界の中で最も優れた選手の1人に数えられる選手だと思う。ここ札幌でもどれだけ彼が貢献してきてくれたか、本当に言葉では言い表せられないぐらいの貢献をしてきたと思う。また日本だけではなく、UEFAカップでも優勝して、ヨーロッパの方々にも彼のプレーは素晴らしいものだったと記憶を残していると思っている。
伸二に関しては、素晴らしい選手ということだけではなく、本当に素晴らしい人間性を持ったキャラクターということだ。私も監督として彼と共に過ごした時間、共に仕事ができたことは非常に栄誉なことであり、とても幸せな時間だったと言えるだろう。
明日、伸二が試合に出た中でどういうことに期待しているか、やはり伸二も引退することで、もちろん引退することは彼が選手としてのピークを過ぎている中で引退という決断をしたのだと思う。そういう中で彼がどんなプレーをするか、見に来る方々は彼のプレーを期待しているのだと思うが、キャリアを終える、選手としてのベストな時期、ピークを過ぎてしまった伸二が明日の試合スタートから出て、(出場時間が)長くなればなるほど皆さんの記憶の伸二とは違うものがあるかもしれない。
私自身や皆さんも伸二の思い出を決して壊したくはないという部分もあるし、そういった皆さんの伸二の素晴らしいプレーの記憶を良いままに終わってほしい思いもある。だからこそ、どれだけの時間をプレーするかが大事ではなくて、彼が試合に出て皆さんにしっかり現役最後の姿を見てもらうことが私は大事だと思っている。そういう意味でスタートから行ってどれくらいの時間彼が出るかはわからないが、ただ私自身はそういう思いで明日、伸二を起用する。
攻撃的な部分がある分だけ失点数も増える戦い方
―今シーズンの得点数(56得点)が、監督就任からの6年間で最多となった
私はあまり数字的なものは気にしていない。ただ常に得点が多いのが私の率いるチームだ。2008年に広島でJ2を戦った時は1シーズンで99得点取った。あのシーズンは勝ち点100、99得点というのが数字として残っている。それ以外のシーズンでも好機で得点を取っていたと思うが、札幌6シーズン目にして得点数を更新した。
もちろん攻撃的なチームとして点を取りに行くところで、今シーズンは特にこのチームの中でも1番取れているというが、ただ今年に関しては失点の数も非常に多い。そのことに関して言えば、攻撃的な部分がある分だけ失点数も増える戦い方ではあるが、いかんせん今年に関しては失点数が多かったなという印象だ。
伸二の最後のゲームを勝って終わりにしたい
―明日は3万人を超える観客の来場が予想される。今季最終戦でどのような戦いを見せたいか
ここ3試合やってきたような戦いをしっかり見せたい。横浜FC、広島、そしてこの間のFC東京と、素晴らしい内容のゲームをしながら結果を出せていたのがこの3試合だと思う。そういった試合を明日最後のホームゲームで見せたい。そして伸二の最後のゲームを勝って終わりにしたい。それはクラブにとっても札幌ドームに来たサポーターにとっても我々にとっても良い締めになるのではないかと思う。