札幌ペトロヴィッチ監督が自身最長7季目へ 浦和サポのブーイング蹴散らし札幌愛を熱弁
■J1第34節 札幌0-2浦和(12月3日、札幌ドーム)
最終戦セレモニーで三上GMがミシャと来季契約の交渉をすると明言
北海道コンサドーレ札幌の三上大勝代表取締役GM(52)が、試合後にピッチ上で行われた最終戦セレモニーで来季もミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)へオファーすることを明かした。詳細はこれから詰めることになるが、同監督も前向きに捉えており、正式に契約を結べば、自身が在籍したクラブの中で最長の7季目に突入する。古巣・浦和サポーターから自身に向けられたブーイングには皮肉まじりのジョークで蹴散らし、札幌サポーターへは「私は世界で一番幸せな監督」と札幌愛を熱弁した。
ミシャ体制ワーストタイ12位も サポーターから拍手
三上GMからミシャへ、熱烈オファーだ。今季の最終順位は在籍した6シーズンでワーストタイの12位に終わったが、攻撃的サッカーを根付かせ、今季34試合でミシャ体制過去最高の56得点。三上GMは3万人以上詰めかけたサポーターへ感謝の気持ちを述べた後、「来季に向け、すでにもう戦いが始まります。その第一歩として、クラブとしては、来季もミシャにチームを委ねたい。お互いの話し合いの中で、数日後のミシャの帰国を持って、そこから本格的な交渉となります。今、皆さんからいただいた拍手を含め、選手の思い、そしてクラブの考えを責任を持って伝えながら、それを現実化したい」と、共に戦う事を望んだ。
古巣の浦和サポへ「セレモニーを邪魔しないで」
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ペトロヴィッチ監督も、小野の引退セレモニーの〝前座〟として会場を大いに沸かせた。開口一番、ブーイングしていた古巣・浦和のサポーターに向けて強烈なジョークを飛ばした。「浦和のサポーターの皆さん、いま私にブーイングされた方は、典型的な浦和サポーターだなと思います。これが6シーズン、浦和を率いた監督に対するリスペクトかと。人の土地に来て、最後のセレモニーを邪魔しないでもらっていいですか。浦和さんは、きょう勝って3ポイント取ったんで、満足して帰ってもらっていいですか。札幌は、結果を求めながら、そして内容を求めながら、高みを目指しているチームです。浦和のサポーターさんは、おそらく結果さえあればそれでいい、そういうサポーターじゃないですか?」と、4位でシーズンを終えた浦和サポーターに笑顔を交えながら痛烈に皮肉った。
札幌サポーターへは感謝の言葉
一段落すると、今度は札幌サポーターへ感謝の言葉を紡いだ。「私はこの札幌で6シーズン仕事をさせてもらって本当に幸せです。良い時もありましたけど、厳しい時もありました。皆さんは我々が厳しい時に特に応援していただける、そういう力強い後押しをしていただけるサポーターの皆さんです。その札幌が7シーズン連続J1で戦えていること、クラブにとってチームにとって、それは一つの成功だと思っています。もちろん、もっともっと上を目指さないといけないと思っていますけれども、皆さんの力があって、我々がある。これだけ素晴らしいスタジアムで、これだけのサポーターの皆さんが集まった中で仕事ができる。私は世界で一番幸せな監督だと思ってます。本当に愛しています」と、札幌愛を熱弁した。
後押しがあったから最後のシンジを見届けることができた
そして引退するMF小野伸二(44)にも触れた。「シンジの現役最後のゲームという中で、20分という短い時間でしたけれども、シンジの素晴らしいプレーを見ることができました。それもやはり、皆さんの後押しがあって、選手たち、チームを後押ししてくれたから。最後に皆さんがシンジを見届ける、そういう機会をつくることができて本当にうれしく思っています」。日本サッカー界の功労者にふさわしい花道を演出した。
浦和の選手はいらない 来季も力強く戦う
最後に7季目への意欲をのぞかせた。「我々は、さらにたくましくなって強くなります。皆さんの助けなしに強くなることはできない。私は、浦和の選手をどうぞ使ってくださいって言われても、いりません。私はこのチームで、この選手たちで、来シーズンも力強く戦っていこうと思います。来シーズン、さらに良いサッカーをして、さらに結果を残して、この札幌で我々がJリーグにあるという姿を見せていきましょう」。ミシャサッカーをさらに進化させ、悲願のタイトルに向かって一丸となる。