コンサドーレ
2023/12/03 22:30

札幌MF小野伸二が3万超えの観衆に見守られ〝22分間のラストダンス〟

引退セレモニーで、天を見上げるMF小野

■J1第34節 札幌0-2浦和(12月3日、札幌ドーム)

キャプテンマーク巻き リーグ戦は約7年9カ月ぶり先発

 日本サッカー界が誇る天才が今季ホームゲーム最多となる3万1143人を動員した札幌ドームで記憶に残る〝22分間のラストダンス〟を披露した。

 今季限りでの現役引退を発表していた北海道コンサドーレ札幌のMF小野伸二(44)がシーズン最終戦となった浦和戦に、札幌でのリーグ戦ではJ2時代の2016年2月28日アウェー東京V戦以来、約7年9カ月ぶりとなる先発出場を果たした。

約7年9カ月ぶりとなる先発出場を果たしたMF小野(前列左から3人目)

 

最後まで〝らしさ〟全開のプレー披露

 キャプテンマークを巻いて出場した小野は、前半4分にMF宮澤裕樹(34)からのロングボールに反応すると、前線のMF駒井善成(31)へダイレクトでパスを出してチャンスメーク。同10分にはわずかに合わなかったものの、前線へ走り込んだDF田中駿汰(26)への〝エンジェルパス〟を繰り出した。同15分には左サイドを駆け上がるMF青木亮太(27)とのワンツーを決め、同18分にも前線のスペースへ走り込むFW小柏剛(25)に滑らかな軌道のパスを配給するなど、らしさ満点の華麗なプレーの数々を随所に披露。同19分には敵陣ペナルティーエリア左手前でのFKのキッカーも務めた。

前半19分、敵陣ペナルティーエリア左手前でFKのキッカーを務めたMF小野(撮影・小田岳史)

 

交代時は両チームの選手で花道

 同22分にMFスパチョーク(25)との交代を告げられ、ピッチを後にしようとした小野の元には、札幌の選手だけではなく浦和イレブンも集結し、両チームの選手によって〝花道〟がつくられた。「日本のサッカー文化の中で、ああいう形で見送られるシーンというのは僕も見たことがなかった。すごく幸せな瞬間でした」。札幌サポーターからの『小野伸二』コールを背に受けながら花道を歩み、稀代の天才は現役最後のピッチを後にした。

前半22分、交代するMF小野(中央)がGK西川ら浦和の選手たちとも握手や抱擁を交わす

 

高校卒業時は13クラブからオファー

 少年時代から天才とたたえられ、高校卒業時にはJリーグ13クラブからオファーを受けた小野。1998年に浦和へ加入すると、弱冠18歳にして同年のフランスW杯への出場を果たす。J2で戦った00年にはチームのキャプテンを務め、札幌と激しいJ1昇格争いを繰り広げた。

14年に札幌加入し〝小野フィーバー〟

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