札幌MF宮沢裕樹主将 〝小野魂〟継承し来季雪辱へ 「お手本になることもたくさんありました」
■J1第34節 札幌0-2浦和(12月3日、札幌ドーム)
引退試合を勝利で飾れず 今季6度目の完封負け
北海道コンサドーレ札幌は浦和レッズに0-2で完封負け。先発したMF小野伸二(44)の現役最後の公式戦を勝利で飾ることはできなかった。前半をスコアレスで折りかえしたが、後半13分にPKで先制されると、同27分に追加点を奪われ、今季6度目の完封負け。最終順位は12位でフィニッシュした。
最後まで〝らしさ〟全開 「コイントスどうやってやんの?」
小野の魂は、キャプテンマークとともに受け継いだ。この日はMF宮澤裕樹主将(34)ではなく、小野がキャプテンマークを巻いてゲームが始まった。「監督と相談したりする中で、シンジさんをキャプテンとしてピッチに送り出すと決まりました」。浦和時代に主将を務めたことがある小野だったが「試合前、シンジさんに『コイントスどうやってやんの?』って聞かれたんで『いや、普通に選ぶだけですよ』と」。気配りの効いたジョークで肩の力が抜けた。
「頼むよ」 手渡されたキャプテンマーク
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前半22分に交代を告げられ、ピッチを後にする小野と「頼むよ」、「お疲れさまでした」と言葉を交わし、キャプテンマークを手渡された。「身の引き締まる思いと、寂しさを感じました。サッカーを楽しむことだったり、お手本になることもたくさんありました。今シーズンに入ってからも、けがでなかなかサッカーができない状態が続いていたのを見ていました。その中で、この最終戦にスタートで出られるまで持ってきたところは、やっぱりプロフェッショナル。シンジさんのおかげで、このような観客の前でサッカーをさせてもらう機会を得ましたから、あとはチームとして攻撃的なサッカー、面白いサッカー、プラス結果で示していかないといけない」。生え抜きの道産子が〝小野イズム〟を継承する。
0ー0の後半8分に自身のプレーでPKを献上
試合は微妙な判定に泣いた。0-0で迎えた後半8分、自陣ペナルティーエリアに進入してきた相手選手を止めに行った宮澤。不運にも足→右腕とボールが当たりハンドと判定された。ペトロヴィッチ監督もベンチを飛び出し、選手らも審判団へ詰め寄った。その後、オンフィールドレビューが行われたが、判定は覆らなかった。「相手がターンする前に1歩詰められれば、仕掛けを遅らせることができたかなと思う。もう1歩足りなかった」と結果を受け入れた。
12位でフィニッシュ 「勝つためにどうしていくかチームで取り組む」
12位はミシャ体制でワーストタイ。「理想とするサッカーをやっていく上で、研究されたり、もろさが出てるのはここ数年、続いてます。攻撃的なサッカーで自分たちはやるっていう方向性は変わらないと思いますから、そこを突き詰めていく。プラス勝つためにどうしていくかを、もう一度チームとして取り組まないと、安定して結果を出していくことは大変なんじゃないか。毎年けが人が多いんで、そこはチームとして根本的に考えていかないといけない部分」と危機感を抱いている。
ペトロヴィッチ体制継続を歓迎 目指すは悲願のタイトル奪取
来季もミシャ体制で臨むことが濃厚だ。「継続性では、もちろんプラスになる。サッカーは結果を出していくことも大事ですけど、見ている人を魅了することに関して、ミシャのサッカーは素晴らしいものがあります。あとは自分たちがその中で結果を出していくこと」。すぐに訪れる春季キャンプで攻撃的サッカーに磨きをかけ、悲願のタイトル獲得を目指していく。