【スピーチ全文掲載】札幌MF小野伸二の引退セレモニー ゆかりの人物からメッセージ、サプライズゲストも
■J1第34節 札幌0-2浦和(12月3日、札幌ドーム)
選手、スタッフによる花道を通り登場
浦和戦後、北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二(44)の引退セレモニーが行われた。センターサークルには小野の姿が描かれたバナーが登場。札幌と旭川で募った寄せ書きにより、かたどられていた。
赤黒戦士やチームスタッフらが背番号「44」のシャツを着用し花道をつくる。そして場内が暗転。スポットライトに照らされた主役が再び札幌ドームのピッチへと足を踏み入れた。
ファン・ペルシや稲本、ミスチル桜井が〝出演〟
大型ビジョンには自身のキャリアを振り返る映像が流された。フェイエノールト時代、ともに戦った元オランダ代表FWロビン・ファン・ペルシ(40)や元札幌MF稲本潤一(44)、親交の深いMr.Childrenの桜井和寿(53)からのメッセージVTRも映し出された。
浦和サポーターからも感謝の横断幕 レッズ時代の応援歌も
引退スピーチ(※下段に全文掲載)の後、札幌のパートナー企業各社、そして夫人とまな娘から花束を受け取り、セレモニーは終了した。チーム全員とともに行ったサンクスウオークでは、浦和サポーターが陣取るゴール裏へ歩みを進めた。『浦和と世界で輝いた 天才小野伸二ありがとう』と書かれた横断幕が掲げられ、浦和在籍時のチャント(応援歌)も贈られた。
仲間の手で3度、宙を舞う
札幌サポーターからもチャントが贈られ、小野は両手を上げて拍手。最後の声援に応えた。満員のスタンドを背に記念撮影を行うと、チームメートの手で3度、宙に舞った。
日本代表DFがサプライズで出迎え
セレモニー終了後、またまたサプライズが待っていた。チームメートやスタッフから、次々と記念写真をリクエストされた。全ての撮影を終え、あらためてサポーターにあいさつし、ロッカーへと歩みを進めた。そこで出迎えたのは、なんと日本代表DF吉田麻也(35)。さすがの小野も驚きの表情を見せ、笑顔で言葉を交わした。
【小野引退セレモニースピーチ全文】
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皆さんこんばんは。そんな時間じゃないですね(笑)
まずは浦和レッズのサポーターの皆さん、きょうは温かいブーイング、ありがとうございます。ミシャさん(ペトロヴィッチ監督)のあいさつの時にいろいろありましたが、こう見えてもミシャさん、浦和レッズ大好きです。忘れないでください。
一つお願いがあります。どんな時でも、どんな人に対しても、リスペクトということだけ忘れないでください。よろしくお願いします。
そして北海道の皆さん、スポンサー企業の皆さん、北海道コンサドーレ札幌のクラブ、監督、コーチングスタッフ、メディカルスタッフ、用具係、そしてグラウンドキーパーの皆さん。たくさんの方に僕は支えられて、このピッチに立てるきょうがありました。本当にありがとうございます。
2014年の夏に北海道の地に来てから、僕自身はトータル7シーズン過ごさせてもらいました。きょう映像に少なくあったように、大した記録は出していません。試合にもそんなに関わっていなかったなと自分の中でも思っています。
ただその中で、この北海道、この札幌ドーム、そして厚別競技場で1得点ずつ取れたこと、それは自分の中でうれしく思っています。
心残りはJ1でのタイトル。自分がいる時にその夢が実現できなかったことです。本当に申し訳ございません。ただその中で、J2から始まり、J1を経験でき、素晴らしい選手たちと一緒に、毎日楽しくサッカーをさせてもらったこと。これはすごく僕にとっても、これからの人生にとっても宝物です。本当に選手の皆さんありがとうございました。
そして自分の家族。奥さん、2人の娘、こんなどうしようもないお父さん、どうしようもない父を持って本当ごめんね。支えてくれてありがとうございます。
AK(―69)さん、試合前にこの札幌ドームを熱く、いい準備を整えてくれたのに、試合に負けてしまい申し訳ございませんでした。いいテンションを持って、試合に臨めました。
僕自身は20分間という短い時間でしたけれども、自分の持っている力を表せたんじゃないかなというふうに思っております。
きょうでプロサッカー選手生活が終わりますけれども、僕自身はこれからも変わらずサッカーを愛し、楽しんでサッカーを続けていくので、これからもどうぞよろしくお願いします。
そしてきょう、この会場に足を運んでくれた仲間たち、皆さん力を合わせれば、こういう景色をつくることができるんです。どうぞ来シーズンも、こういう景色を残された選手たちにつくってあげてください。よろしくお願いします。
最後に、皆さんには関係はないかもしれませんが、自分の母が10月17日に旅立ちました。お母さんにひと言、僕を産んでくれて、そしてこの素晴らしいサッカーというものに出会わせてくれて、ありがとうございました。感謝してもしきれないほど言いたいことはあります。
僕もこれから第二の人生が待っていますが、ゆっくりはしませんが、少しずつ自分の道を進みながら、もちろん北海道コンサドーレ札幌、そして日本サッカーに携わっていけるようにやっていきますので、これからの小野伸二もよろしくお願いします。きょうはありがとうございました。