【連載コラム】マシンガンズ西堀のそぞろ歩き③ 「THE SECOND」第2回大会には
芸人には縁がないクリスマス
マシンガンズの西堀亮です! 「そぞろ歩き」も第3回目となりました。もう12月はクリスマスですね~。俺はずっと人並みの幸せってやつを経験してきてないんですよ。こんな格好してますけどね。芸人ってのは夏休みも冬休みもお正月も、クリスマスもない…。だって今年のM-1決勝戦は24日のイヴですよ! 残った人たちには大いにお茶の間を笑かせてもらいたいですよ。お正月も家にいないのが良しとされている世界なんでね。仕事してた方がよっぽど良いんですよ。これまではお金が無かったから、プライベートでもあんまりクリスマスってやつには縁がなかったなぁ。本当に…。こんな格好してますけどね。
子供の頃にもらったのはラジコン
子供の頃はね、普通にケーキを買って来てもらってクリスマス会やってましたよ。もう何十年も前の話だけど、「うちにサンタさんは来るの?」ってね。そんなこと思ったことあったっけな~。俺は意外と冷めてた子供でしたからね。自分のクリスマスプレゼントは親がどこにしまってあるかも知ってたし(笑)。新聞に挟まってるおもちゃのチラシでね、プレゼント決めたりしてましたからね。でも、大っぴらにおもちゃ屋に行って「僕はこれが欲しいんだ」とかって言えるような親子のシステムでもなかったから、いま思うとすごくもどかしい感じですよね。当時もらったのはラジコンかな。夢中になったなぁ。普通に嬉しかったですよね。でも今はプレゼントのバリエーションがいろいろあるでしょ。ゲームだったり、いろんなおもちゃがハイテク化されてきたり、今の子たちが羨ましいもんですよ。
思い立って四半世紀後のダウンタウン
でも大人になって、憧れのダウンダウンさんと「DX」で共演させてもらったのは、自分たちにとって大きなプレゼントだったかもしれないなぁ。浜田さんの番組に出たことはあるんですけど、松本さんとの初絡みは「THE SECOND」でした。だから、憧れの2人ということであれば、会えるまでに25年かかってるってことですよね。四半世紀ってやつですよ。それでね、会うことができたのはいいんですけど、その時は「うれしいなっ!」て感情よりも、自分が好きだと思ってる人に「変なふうに思われたくない。面白くない奴と思われたくない」ってのが勝っちゃってね。だって、そうでしょ。目指して芸人になろうと思った人の前で、がっつりスベるの嫌じゃないですか。いや本当に緊張しましたね。でも、昔から一緒にやってる流れ星だったり、さらば青春の光だったり、かもめんたるがいたりで、安心感があってね。それは少し良かった。
アルピー、タイムマシーン3号がいると
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他のバラエティー番組でも、うちの事務所で言うとアルコ&ピースとかタイムマシーン3号とかがいると、後輩なんですけどね、何かホッとするんですよね。あの2組はマシンガンズのことを昔から知ってるから、普通にけしかけてくれるんですよ。ありがたいことに。一緒に出たい芸人1位、2位なんじゃないかな。ちゃんと俺のことをバカにしてくれるし(笑)。やりやすんですよね。
どこに行っても汗をかいてた
12月だし、一年を振り返ってみると…、やっぱり今年は大きな年でしたね。何回も言うけど「THE SECOND」準優勝! これに尽きるね。でも、もう半年以上たってるのか…。上半期の話かよ! でも人生で一番忙しかった半年ですもん。浸らせてくださいよ(笑)。そして、今年は本当に猛暑だった。忙しさと暑さが同居してましたよ。何かしんどかったね。でも、心地良くもあった。どこのイベント行っても、汗かいた記憶しかないですもん。自分にとって良い仕事をやらせてもらってたってことですよ。
高知のカツオがうまかった話
ハードスケジュールの中で行った高知で「ひろめ市場」という昼間から飲めるところがあって、そこで食ったカツオはすごくおいしかったんですよ。よく覚えてるなぁ。魚のネタそのもののうまさもあるんでしょうけどね、それを食べてるときの自分のいろんな状況ってのもあるなぁと思いましたよ。すんごいバイオリズムが良い状態だったんでしょうね。相方の滝沢も、そこのカツオはすごい覚えてるって言ってましたから。コンビとして充実のときを刻んでたんでしょうね。
冷凍マトン
そんな中、10月下旬頃には北海道に帰ることができました。仕事が夜9時過ぎに終わって次の日も朝の飛行機だったので、ゆっくりはできなかったんですけど、やっとお待ちかねのジンギスカン、食べましたよ! そして、すんごくおいしくなってる。まずそのことに度肝を抜かれましたね。俺の知ってるジンギスカンじゃないよ! って。我々はやっぱり冷凍マトンのジンギスカンなんですよ。あれが好きでね。でも、普通に最近のもおいしかったなぁ。あと、やっぱり北海道は空気が凜としてますよね。夜のネオンがシャープなんですよ。やっぱり他の土地に営業に行くのとは、わけが違うよね。久しぶりの北海道は本当にうれしくてテンション上がってたもん! 今度はゆっくり行きたいね、冷凍マトン食わせろっ!つってね。
道産子芸人のマウント
同じ道産子芸人のトム・ブラウンと会うと、よく札幌の話をするんです。彼らとは学区も近かったんですよね。俺はあんまり愛郷心がある方だと思ってなかったけど、やっぱり北海道生まれって聞くとね、「おっ!」となりますよね。芸人の道産子の中で、一番会ってるのはやっぱり和賀(勇介)かな。あいつは室蘭なんですけどね、俺は札幌だから(笑)。あれ、もしかして俺、あいつに対してマウント取ってないか(笑)。そんなことしない人間だと自分では思ってたけど、若干あるかなぁ~。太田プロは辞めたけど新宿カウボーイのかねきよ(勝則)はね、旭川。あと三拍子の高倉(陵)は帯広…。あるかもなぁ。俺、やっぱりマウント取ってるかも。
幻の3本目のネタ
「THE SECOND」は第2回の開催が決まりましたね! 良い意味でも悪い意味でも「マシンガンズが行けたんだから、行けるだろう」ってな感じで出場者は増えますよね、確実に。第1回の決勝に行ってない芸人でも、ネタをいっぱい持ってる実力者がまだまだたくさんいますから。今年とは、まるまる違う決勝戦になるかもしれない。本当に楽しみです。まだネタを消費してない芸人には大チャンスですよ。僕らはネタを使い切っちゃったんだから…(笑)。でも出ますよ! やれなかった幻の3本目もやらないと! 我々はこれだけの恩恵を預かっているんですから。出ないわけにもいかないですから。「お陰様で、ありがとうございます!」っていう〝お世話になりました出場〟ですよ。よ~し、ちゃんと3本目も作っておかないとだな。
【今月の西堀さんぽ】
ここは今は誰も住んでいない新宿にほど近い千駄ヶ谷団地。人の暮らしの残り香がする気がしてたまに来ちゃいます。
■プロフィール 西堀 亮(にしほり・りょう)1974年10月4日生まれ、札幌市出身。石狩南高卒業後、お笑い芸人を目指して上京し、相方の滝沢秀一と98年にマシンガンズを結成した。2003年から太田プロダクションに所属。07、08年「M-1グランプリ」準決勝進出。12年「THE MANZAI」の認定漫才師50組に選ばれる。20年、発明学会「身近なヒント発明展」にて優良賞を受賞。23年「THE SECOND~漫才トーナメント~」で準優勝。