伊藤大海 〝由伸流〟脱100%で来季へ「駆け引きもピッチングもここぞで決める」
各イベントの裏で着々と体づくり
近未来のエースは〝脱100%〟の精神で来季へ臨む。2024年シーズンの開幕投手を務める日本ハムの伊藤大海投手(26)はこのオフ、多数のイベントに出演する裏で、黙々とトレーニングに励んでいる。4日はエスコンフィールド北海道を訪れ、自主トレを敢行。じっくりと汗を流した。
年間を通してハイパフォーマンスを発揮するため、長い冬は体づくりに重点を置いている。10、11月はウエートトレーニングを中心としたメニューで筋量アップを目指し、12月以降は「ランニングも入れつつ、身のこなしや自分のやりたい動きをできるように(ウエート)トレーニングと併用していきたい」とプランを思い描く。
「平均球速を上げたい。150キロは欲しい」
体自体の出力が上がれば、自然と球速アップにつながる。肉体強化の先には球威の向上がある。「やっぱり平均球速を上げたい。今年は状態が悪い時期がありながらも149キロ台だった。2、3キロは上げて、最低でも150キロは欲しいです」と意欲を口にする。
理想とするあの好投手のように
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積んでいるエンジンを大きくすることで、投球の安定感は増す。メジャー挑戦を目指すオリックス・山本は、伊藤が理想とする好投手の1人だ。「10割の力を出すよりも、8割ぐらいをずっと維持して完走できるように。少し余力を残して毎試合臨めるような状態をつくりたい。矛盾しているけど10割で投げた全力投球よりも、8割で投げた方が(球速が)出ていたり(球威が)強いイメージがある。(山本)由伸もそう。良い投手はシーズンを通してパフォーマンスの波が少ない。そこを目指して、しっかりやっていきたい」と力を込めた。
朝から晩までだった釣りも脱100%
多忙なオフ。大好きな釣りも、例年より抑え気味だ。ファン感謝祭で開幕投手をサプライズ発表した新庄監督が「釣りの回数が減ると思う」と予言した通り、趣味に費やす時間は減った。「去年は朝から晩まで行ってたけど、今年は『午前中だけにしようかな』と時間を短く、集中して釣りをしています。ダラダラ続けるのではなく一投に懸ける。(魚との)駆け引きもピッチングも、ここぞってところで決められるようになります」と、さわやかな笑みを浮かべた。
野球の結果も海での釣果も〝力み〟があっては伸びづらい。道産子右腕は八掛けの出力で、公私ともに充実させる。