古巣斬りにメラッ! オリ移籍の吉田輝星 万波&野村対策は「企業秘密(笑)。僕は計算高い」
会見や家探しを終えて鎌ケ谷で自主トレ
すでに、戦闘モードだ。日本ハムからオリックスにトレード移籍した吉田輝星投手(22)が4日、鎌ケ谷で自主練習を行い、〝古巣斬り〟に闘志を燃やした。同学年の野村や万波が「輝星撃ち」に意欲を見せる中、「あいつらの好きにはさせないです、絶対に」と返り討ちを宣言。今季までの仲間たちを「もう敵なので」とライバル視し、エスコンフィールドで恩返しの快投を見せると誓った。
「部外者がいる」「スパイだ」
大阪での入団会見や家探しなどを終え、慣れ親しんだ鎌ケ谷に戻って来た。この日はウオーキング、ランニング、キャッチボールなどで体を動かした。同じ時間帯に練習していた上原、鈴木らには「部外者がいる」「スパイだ」などといじられながら談笑し、根本、松本遼ら後輩とも普段通り、和やかにコミュニケーションを取った。
人にやさしく
日本ハムでの5年間を振り返り、心に残っているものがある。「いろんな人にお世話になったので、人に優しくするということを学びました。先輩からかわいがってもらって、僕も後輩にやらないとなと思ったし、すごく良いチームだったなと思います。まだ、全く恩返しできていないですけどね」。もらった恩、優しさを忘れず、新天地での飛躍につなげるつもりだ。
相次ぐ〝号泣報告〟 自身はそっけないあいさつの裏で…
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トレード決定後は、チームメートたちからの〝号泣報告〟が相次いだ。万波、野村ら同学年のメンバーに加え、先輩の北山、鈴木らも送別会で涙を流した。吉田自身は「あれ、いなくなるの僕だよね? って感じでした。みんなは別に、僕一人いなくなるだけじゃね? って思っていました。なんでみんなが泣いて、俺が泣いてないんだって」と、クールに振る舞ったが、内心は違った。「トレードを伝えられた直後に球団納会でみんなに会って、1人ふた言以上しゃべったら、ちょっとヤバいなと。なので、そっけないあいさつを全員にしました。いちいち、じわじわ来るので。みんな仲が良いし、すごい温かいチームなので」。あえての〝塩対応〟で、思いが溢れるのをギリギリで堪えていただけだった。
コミュ力お化けの石川亮と大阪で会食
感傷に浸ってばかりはいられない。今後はパ・リーグ王者の一員として、熾烈(しれつ)なチーム内競争が待ち受けている。大阪滞在中にはさっそく、再びチームメートになる石川亮と会食した。「ファイターズと同じような感じというか、みんな仲が良くて、上下関係も変に厳しいことはないということだった。亮さんがいれば何とかなる。コミュ力お化けなので」。バッテリーを組んだ経験のある頼れる先輩の存在が、安心材料になっている。
「ワインドアップのクイックとか」
きのうの友は、きょうの敵だ。仲が良かった野村、万波からは、「絶対打つ」と宣戦布告された。受けて立つ右腕は2人への対策について「企業秘密です(笑)。僕は計算高いので、その時に応じて」と明言を避けつつ、「ワインドアップのクイックとかしようかな(笑)。それで、まずワンストライク取る」と冗談めかした。
日本ハムだけには絶対に打たれたくない
活躍している姿を見せることが、応援してくれたファンや、チーム関係者への恩返しになると理解している。「僕はファイターズだけには絶対に打たれたくない。『何で、うち(日本ハム)でやらねぇんだよ、去年とえらい違いじゃねぇか』って言われるぐらい、来年はしっかり抑えたいなと思います」。8年ぶりの優勝を目指す日本ハムに、オリックスの吉田輝星が立ちはだかる。