日本ハムの松本剛外野手(30)が5日、エスコンフィールド北海道で契約更改交渉に臨み2400万円アップの年俸1億1000万円(金額は推定)でサインした。昨季、首位打者を獲得した好打者は、今季もパ・リーグ5位の打率.276をマーク。守備でも安定感あるプレーでチームを支えた。高卒12年目で大台到達した遅咲きの才能は、まだまだ成長の余地を残している。一問一答は以下の通り。
【日本ハムの契約更改一覧:12月5日時点】
―サインは
「はい、しました。上げていただきました」
―数字は
「1億くらいです」
―大台突破
「本当にうれしく思いますし、プロ野球に入ったときに、一つの目標でもあったというのが正直なところです。ただ、近年はもっともらっている選手はたくさんいるので、もっと上を目指してやっていきたいなと思います」
―特に評価された点は
「今年は1年間けがをすることなくやれたのは評価してもらいました。ただ、去年より数字は落ちたし、チームとしても苦しいシーズンになったので、本当に球団の方には最大の評価をしていただきました」
―出場試合数はキャリアハイ
「自分の中で責任を持ってやってきた中で、最低限チームから離れないというところはできたかな」
―選手会長としてどんな1年だったか
「本当に苦しかったですね。でも個人的に成長している部分もありますし、チームとしても成長している感覚もある。また僕が引っ張って、来季は上位争いをしたいと思っています」
―個人としての収穫と来季への課題は
「今年1年やって、技術的な部分もコンデショニング的な部分も苦しかった時期が多かった。その中でも1年やりきれたのは自信につながります。去年、良い数字を残すことができて、今年は自分の中で少し納得いかなかったけど、数字には出なくても成長している感覚はある。メンタル的な部分もうまくコントロールできるようになった。すごく良い経験ができた1年でした」
―オフの過ごし方は
「打撃をもう一度、見つめ直したい。しっかり自分と向き合いながら、もう一度、牙を磨きたいなと思ってます。コンデショニングが今年は結構つまづいていた時期もあったので、そこはしっかりトレーナーさん含め、一緒になって取り組んでいけたら」
―自主トレは
「伊江島に行きます。みんな本当に来てください、というくらい良い島。ぜひ取材に来ていただきたいです。ジェイ(野村)もいますし、郡も細川も、そして新しくピン(石井)もいるので。人数は増やしたくないけど、最少人数で楽しく、レベルアップできるように。そんな自主トレにしたいと思います」
―髪色を変えた
「ちょっと暗めにしました。金髪で来るよりはいいかなと。完全に気分ですね。またすぐ金髪になるかもしれないです」
―来季の目標は
「チームはもちろん優勝を目標に掲げたいです。現実的に考えて、9月がワクワクするように。『この試合は絶対に落とせないぞ』という試合を、僕は経験できていない。またそこで先頭に立って戦っていきたい」
―高卒で入って30歳を越えてから大台到達
「めちゃめちゃうれしいです。1億円プレーヤーって目標の一つでもあったので素直にうれしいです。でも今は1億円プレーヤーっていう時代じゃなくなっているのも感じている。もっともっと上を目指してやっていきたいです」
―選手会長として球団に要望したことは
「言える範囲ではないですね。結構、色々言わせてもらったので。チームが良くなるために内部のことは伝えさせてもらいました。選手会長という立場なので、チームの意見を代表して言いました」
―選手の意見を集約して
「何人かには『どう思う?』って普通の会話ベースですけど、本音を数人に聞きました」
―首位打者が目標。タイトルをもう一度
「1回取って、まぐれと言われないように。2回目を取れば実力が証明されるかなと思います。バットで示すしかないので、突き詰めて頑張りたいと思います」
―監督がファンフェスでレギュラーは一人だけと話していた
「あまり気にしてもしょうがないですし、僕自身、来年はレギュラーだと思ってない。オープン戦から勝負なのは間違いない。年齢もチームの中では上の方になってしまうので。若い選手が活躍することがチームにとって一番良いことだと客観的に見てても思う。負けないようにレギュラーは絶対に譲らないよう、全力で戦っていきたい」
―チーム浮上に向けて手応えは
「上の方に行ける材料はあると思わないですか? どうですか? 思いますよね。いろんな目線で考えた時に、間違いなく上に行ける要素を、今のファイータズは兼ね備えている。今年で言えば1点差ゲームが全部取れていたら、それだけで全然変わってくる。実力はあると思う。個々のレベルアップと、負けが込んだときの今年の経験を生かせればと思います」
―エスコンの施設についての話は
「今、土や芝をいじっていますし、そこは内野手が意見を言ってくれる。より良くしていこうってチームも一生懸命やってくれている。ホームなので言い訳せずに、自分たちがやりやすいようにできれば理想かな。何の文句もつけようがないくらい素晴らしいスタジアム。やっていて気持ち良いですし、それは一年間変わらないですね」
―エスコンになって体への負担は
「天然芝がすごい好きですし、やっていて気持ち良さは感じる。やりやすさ、やりづらさは人工芝と天然芝であると思いますけど、体の負担は減ったと思います」
―ひざの負担は
「単純に地面が固いか固くないかだと思う。そういう意味では人工芝より天然芝は柔らかいですし、反発が強くないので、負担は軽減されるかなと」
―春季キャンプで去年くらいできるか不安だと言ってたが、完走した
「去年終わった時よりも来季やれるな、やれそうだなみたいな自分の中の感覚はすごくある。来季も1本ヒット打てるかな? っていう不安から入るんですけど、去年終わった時の方が不安でした」
―単純に数字だけ見れば去年の方が良いのに、なぜ
「自分の中で調子が悪いなって感じる期間が本当に今年は長かった。その中でもある程度できた部分は少なからずある。もっと調子が良い期間が増えてくれば、必然的に数字は上がる感覚があります。逆を言えば、去年は調子の良い期間が長すぎた。調子が悪くなったときの怖さを知れていなかった。今年は逆。悪いなりにやることができた感覚もある。来年はもっと良い一年になるのかなと思います」
―足の状態は
「少し休みながらトレーニングで落ち着いている。不安要素だけど、けがも含めての技術だと思う。けがと付き合っていくなら、それをカバーできる技術があれば問題ない」
―去年の状態よりは
「全然良いです。そこはもう間違いなく良い。しっかりやれるかなと思います」
―ホームランを打てる万波らがいる中で、打順はどこがいいか
「難しいですね。一発を打てる選手、清宮、万波、野村という3人がクリーンアップを打ってくれるようになれば、前後が必然的に決まってくると思う。前になるのか後ろになるのか分からないけど、その3人がいるっていうのは心強い。僕は打線という意味を伝えられるようなバッティングができればと思います」