【札幌MF小野伸二インタビュー】現役ラストゲーム、思い出の試合、今後についてを語る
今季限りで現役を引退した北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二(44)が5日、道新スポーツのインタビューに応じた。
現在の心境「何も変わらない。辞めた実感もない」
現役ラストゲームとなった浦和戦を終え、2日が経過した現在の心境について「何も変わらないですね。辞めたのかなという実感もないし、シーズンオフになったんだなみたいな感じです」と口にする。「来年になって、みんながキャンプインとなった時に初めて何か感じるかもしれないですね」。
ラストゲームの感想「やっぱりピッチっていいな」
今季最多3万1143人が最後の勇姿を見届けた浦和戦を振り返り「最後の大事な試合でスタメン起用してくれて、本当にミシャさんにすごく感謝しています。僕自身もあの試合のために調整してきたので、本当に短い時間でしたけど『やっぱりピッチっていいな』って改めて思えましたし、プロ1年目の気持ちがよみがえってきましたね。3万を超える人が集まってくれて、ああいう環境の中でプレーする、この幸せは当たり前じゃないんだなというのをすごく感じましたね」と語った。
〝仕掛け人〟荒野の気遣いに感謝
前半22分に交代でピッチを退く際には、札幌の選手だけではなく浦和イレブンも小野の元へ集まり花道をつくってくれた。「こういう花道をつくって選手が出ていくのをあまり見たことがなかったので、自分って本当に幸せ者だなと本当に感じました」。実は浦和の選手に呼びかけて感動的な光景をつくり出した〝仕掛け人〟はMF荒野拓馬(30)だった。「映像を見たら拓馬がみんなを呼び寄せてくれてました。公私ともに一番長く関わっていた選手なので、その気遣いに感謝したいですね」。
「本当に大人になってきたな」
荒野は2014年の小野加入時はまだ20歳。MF宮澤裕樹(34)やMF深井一希(28)なども当時はまだ20歳前後の若手選手だったが、小野の背中を見て育ってきた選手たちが今では中心選手としてチームの屋台骨を支えている。「プレーもそうですし、人間性もそうですけど、本当に大人になってきたなとすごく思います」。札幌に植え付け育ててきたDNAは今後も共にプレーした選手たちによって受け継がれていく。