これから伸二と一緒に北海道内を回れたらいいな《河合CRC竜の眼》
本当に伸二らしい姿を見られた
3日のホーム浦和戦(0●2)は、浦和そして札幌で共にプレーしてきたMF小野伸二の現役ラストゲームとなった。その試合に伸二が無事出場できたことへの安堵感もあったし、その一方でプレーをもっと見ていたいなと寂しさも感じた。
最後に練習での伸二のプレーを見ておきたいと思い、試合前日の2日に札幌ドームで行われたチーム練習を見学した。いつも通りサッカーを楽しんでいたし、私が見ていることに気づくとこっちに向かってボールを蹴ってくれたり、本当に伸二らしいなと感じさせる姿を見られた。
ラストゲームを先発=それだけの功績を残してきた選手
この試合で伸二はスタメン入り。実は2週間前くらいに伸二と食事をした際に、ミシャ(ペトロヴィッチ監督)とはそういう話になっていると教えてくれて、一緒に食事していた私の妻と共にとても盛り上がったのを覚えている。日本だと引退する選手は試合の終了間際に交代で出てくるパターンが多いが、先発出場という形をつくれる、それだけの功績を残してきた選手なんだと改めてすごさを感じた。
浮き球パスを見られたのはとても幸せに感じた
試合では何度も攻撃に絡んでチャンスを生み出していたが、一番印象に残ったのは前半10分にDF田中駿汰へ出したパスだ。本当に『これぞ小野伸二』という浮き球の柔らかいパスで、残念ながらわずかに通らなかったが、あのパスを見られたのはとても幸せに感じた。
MFスパチョークがベンチでユニホーム姿になったのを見た瞬間には思わず「えっ、もう交代!?」と大声で独り言を言ってしまい、周りの人からも振り向かれてしまった(笑)が、やはりもう少し見ていたかったなというのが正直な感想だった。
両チーム選手がつくる引退花道に感動
伸二は前半22分で途中交代。交代のボードが掲げられると、札幌の選手たちが伸二の元へ集まっただけでなく、対戦相手の浦和の選手も花道をつくってくれたが、伸二の人間性がなければあの光景は生み出されなかったと思う。浦和でキャリアをスタートさせたこともあり、浦和の選手たちにも伸二へのリスペクトはあったと思っている。サッカーの試合中にああいう場面を見たことは無かったので本当に感動した。
サッカーってすばらしいなと改めて感じる
後からMF荒野拓馬が浦和の選手たちに呼びかけてくれたことを聞いて、本当にすばらしいと思った。なかなかできることではないと思うので、拓馬の成長も見られたことがうれしいし、それに応えてくれる浦和の選手たちの気持ちもあって、スポーツ、サッカーってすばらしいなと改めて感じることができた。