プレミア参入戦で先制弾の札幌U-18FW出間 小野と過ごした時間生かして来季トップチームへ
■高円宮杯U-18サッカープレミアリーグ2023プレーオフ第1日(12月8日、広島・広域公園第一球技場ほか)
▽Aブロック1回戦 ファジアーノ岡山 3-1北海道コンサドーレ札幌
点取り屋の片りん
9シーズンぶりのプレミアリーグ復帰を目指した北海道コンサドーレ札幌U-18は、1-3でファジアーノ岡山U-18(中国1位)に逆転負けした。来季トップチーム昇格が決定しているFW出間思努(18)は前半18分に先制点を決めて点取り屋の片りんを見せた。また、初出場の北海高も近江高(関西2位)に延長戦で1-2で逆転負けし、北海道勢は1回戦で姿を消した。
状態は不完全も嗅覚で逆足ゴール
高校ラストマッチを勝利で飾ることはできなかったが、見せ場はつくった。前半18分、右サイドからのクロスにゴール正面に走り込んだ出間が利き足と逆の右足で合わせて先制ゴール。9月の練習中に右足首の外側を捻挫。まだ合流して10日程度でコンディションは万全ではなかったが「あそこは自分の嗅覚で取ったゴール。いいゴールだった」と胸を張った。
試合終盤はGKがFKのキッカーも逆に3点目
試合は同37分、後半19分と同じような形でゴール前で崩されて2失点。試合終了間際、GKシューマッカー・マシュー(18)がFKのキッカーを務めるなどパワープレーに出たが、逆に決定的な3点目を決められてイレブンはピッチに崩れ落ちた。
負けたけど楽しくサッカーできた
1週間前の練習試合でMF小沼昭人(18)が負傷し、スタメンに入った3年生は5人。小沼の背番号8のユニホームをベンチに掲げ、最後まで戦い抜いた。「3年生も大変な時期でしたけど、最後にこうやって、少ない人数ですけど出られて良かったし、負けたけど楽しくサッカーができました」。出間は目を潤ませながら悔しさを胸にしまい込み、U-18を卒業する。
〝幻のゴール〟で注目され 天皇杯の2点も評価された
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今季は飛躍のシーズンだった。1月に沖縄で行われたトップチームのキャンプに帯同すると、3月にはJリーグの公式戦にも出場可能な2種登録。3月25日ルヴァン杯グループステージ第2節の磐田戦で放ったシュートが〝幻のゴール〟となり、一気に注目を浴びた。「多くのサポーターにも覚えてもらえて、良い一年でした。一番思い出に残っているのは、やっぱり得点を取った試合」と、7月12日天皇杯3回戦のヴェルスパ大分戦を挙げた。後半43分に、公式戦初ゴールを決めると、同アディショナルタイム5分にも2点目を奪った試合だ。その活躍が評価され、9月4日には来季からのトップチーム昇格が発表された。
森下監督も将来を期待
出間を3年間指導してきた森下仁之監督(55)も今季の成長ぶりに目を細めた。トップチームへ帯同したことで「人間的、精神的な部分かもしれないけど、ある時、急に練習への取り組み方が変わった。ゲームでは常に一生懸命にやるタイプだったけど、トレーニングの仕方が変わったころから、(選手として)違ってきたなと思っていた。トップチームでワンチャンスあればなと思っていたけど、結果を出したし、ミシャさんに良いところを見てもらえたのかな。本当に成長した。来年のキャンプからチャンスを生かせるかどうか」と、教え子の将来に期待を寄せた。
小野はすごい相手を見ている
トップチームでは、今季で現役を引退したMF小野伸二(44)とピッチ上で同じ時間を過ごすことができた。「日本も世界も知っている方なので、一緒にプレーすることもできたし、話す機会もあった。」。2得点した天皇杯の時には「ハイプレスで来るからワンタッチで剝がしていけるよとか、すごい相手を見てるな」と、参考になったという。沖縄キャンプでは焼き肉にも連れて行ってもらい、「すごくうれしかった」と、忘れられない思い出になっている。
イブラが好き
来年1月に始まる沖縄キャンプからトップチームの一員としての生活が始まる。プロとの試合でフィジカルのひ弱さに気付かされ、肉体改造にも着手。「下半身が少し足りないですけど、上半身はまあまあついてきた。最初はチームに食らいついて、どんどん上がっていって、たくさん得点を取れる選手になりたい。自分はイブラ(FWイブラヒモビッチ)が好き。ボールがどこにあっても、シュートが打てる」。若武者が、プロの荒波に正面からぶつかって行く。