高校野球
【センバツ】別海が21世紀枠候補に選出 町へ恩返しするため日本最東端の甲子園出場狙う
部員16人で秋季全道4強
甲子園に出場し、恩返しする―。来年に行われる選抜高校野球(3月18日開幕、阪神甲子園球場)の21世紀枠候補9校が発表され、北海道から別海が選ばれた。16人の部員ながら、秋季全道では4強まで躍進。準決勝では惜しくも優勝した北海に敗れたが、終盤まで接戦を演じてみせた。21世紀枠に選ばれると、日本最東端の甲子園出場校となる。来年1月26日の選考委員会で、この日発表された9校の中から2校が選ばれる。
人より牛の数が多い町 野球部6人の実家が酪農経営
酪農王国で頑張ってきた高校が、野球の聖地へ一歩近づいた。酪農が盛んな別海では人口約1万4000人に対して、牛の頭数は約11万3000頭と、人の数を大きく上回る。部員、マネジャー含めて19人が在籍しているが、そのうち6人の実家が酪農を営んでいる。エースの堺暖貴投手(2年)も祖父が酪農を経営しており、昨年の冬休みにも子牛の授乳などを手伝ていったという。牛乳が好きで毎日飲んでいる堺は「別海の知名度も上がってくれればうれしい」と、故郷の名前がさらに広まることを願った。
島影監督就任時は部員わずか4人
町と一体となって、全道4強まで進出した。島影隆啓監督(41)が就任した2016年の部員数はわずかに4人。その後、練習試合でも負け続ける日々が続いたが、一歩ずつ前に進んできた。19年秋に就任後初の全道大会、21年夏に初の北北海道大会に出場。ともに初戦敗退だったが、着実に力を付けてきた。島影監督は「別海高校で監督ができていることは、町のみなさま、地域の方々、たくさんの人たちがいるおかげ」と周囲のサポートに感謝の言葉を並べた。