とわの森初陣全道1勝だ 全国高校バスケ道予選
全国高校バスケットボール選手権道予選がきょう5日、札幌・北海きたえーるなどで開幕する。男子のとわの森が全道初出場を果たし、Dブロック1回戦で留萌と対戦する。6月の高校総体では道大会初出場の権利を得ていたが、新型コロナの影響で棄権した。当初は引退を考えていた3年生が一致団結。今大会の出場を決意し、再び全道切符をつかんだ。能代工OBで、就任7年目の大内田隆太監督(29)の下、初陣初勝利を狙う。
どん底から再起した。6月上旬、校内でクラスターが広がり、初出場するはずだった全道高校は無念の棄権。PF佐藤奨真主将(3年)は「自分はもう辞めよう」と、引退を考えていた。しかし、ほかの3年生3人とマネジャーの説得に心が傾き、7月下旬の部活動再開で徐々にやる気がよみがえった。
札幌地区予選では2回戦から3戦連続で100点ゲーム。ブロック代表決定戦ではスーパーシードの札南を95―52で撃破。佐藤主将は「このメンバーでここまで戦ってこられたので、結束力は強い」と胸を張った。
夏にかなえられなかった全道初出場に「創部初の全道出場という歴史をつくった。次は全道1勝。自分たちが得意とするディフェンスからの速いバスケで、得点をどんどん決めていきたい」と主将は力強く誓った。
土台は「能代工魂です」と大内田監督。高校3冠9度を誇る名門で、1年時にインターハイ優勝を味わっている。その経験を生かして、とわの森の練習は3時間のうち、最初の1時間はフットワークやリバウンドの練習。次の2時間は速攻や3対3など、「とにかく走ってばかり」のバスケットで鍛えてきた。
就任初年度は、あまりにハードな練習に20人以上いた部員が7人に。それでも厳しい練習を生き抜いたメンバーや、中学生のスカウティングなどで徐々にチーム力を向上させた。6年かけてまいてきた種が、7年目にようやく芽を吹き始めた。
3年生にとっては、最初で最後の全道大会。「予選ではまだ力を出し切れていなかった。もっと上げていきたい」と佐藤主将。一度は諦めかけた最後の挑戦が、始まる。
(西川薫)
■勝ち進めば“同門対決”
大内田監督は“同門対決”を待ち望む。昨年の覇者・駒大苫小牧の田島範人監督(46)は能代工の大先輩。互いに勝ち進めば、ブロック決勝で実現する。「いろんな人から言われてます」と大内田監督。まずは初戦へ「道大会の相手はどこも強いところばかり。ミスを限りなく少なくすることと、ディフェンスのコミュニケーション」を掲げ、試合に挑む。
■レバンガU151期生の露木「3年生と頂点へ」
チームの司令塔であるPG露口希来(きら、1年)は、江別江陽中2年まで、レバンガU15の1期生としてプレーした。高校進学後は、すぐに頭角を現し、総体予選にも出場。今大会から先発メンバー入りした。「3年生の最後の大会。少しでも長くやって、3年生と頂点に行けるように頑張りたい」と快進撃を誓った。