ファイターズ
2023/12/19 17:00

【松本剛 独白】エスコン元年を振り返る㊤ 大型連敗にけが 苦しい時に思い出した鎌ケ谷での下積み時代

12月上旬、鎌ケ谷で自主トレを行う松本剛

チームも個人も苦境を味わった2023年シーズン

 昨季、首位打者に輝いた日本ハムの松本剛外野手(30)にとって、プロ12年目の2023年シーズンは決して順風満帆とはいえなかった。両アキレス腱(けん)の不安を抱え、もどかしさを感じる日々。チームは夏場に13連敗を喫するなど、2年連続の最下位に沈んだ。22年オフから選手会長を務め、名実ともにファイターズの顔となった男は、どんな思いで戦ってきたのかーー。道新スポーツデジタルの取材に応じ、当時の胸中を明かした。

今だから話せる 泥沼の13連敗

 シーズン中、どこか険しかった表情は、オフに入って柔和になったように感じる。10月5日の最終戦からおよそ2カ月の月日がたち、「苦しい時間の方が長かったですけど、今思えばいい経験。やっている時はしんどかったですけどね…」と笑って振り返られるようになった。4位に浮上し、Aクラスが見えた7月上旬。チームは球団ワーストにあと「1」と迫る13連敗を喫し、21日間、白星から遠ざかった。
 「勝てなかったし、自分も良い活躍ができなかった。そこが一番しんどかった。勝てないのと、自分が思い通りの結果を残せていなかったのが苦しかったです。連敗中はホントしんどかった。どうしたらいいのか、分からない。みんな勝ちたいと思ってやっていましたし、何とかしたいと思っている中で、どうしようもできない。あの時期は僕だけじゃなくてみんなきつかったと思います」

満身創痍で駆け抜けたシーズン

 ロッカールームに漂う閉塞(へいそく)感。チームを引っ張らないといけない自身も、5月に両アキレス腱を痛め、コンディション万全とは言い切れなかった。
 「常に治療したり、注射を打ったり、1年間を通してずっとやっていました。でも、これといっていい突破口がなかったのが正直なところです。厳しかったけれど、なんか試合には絶対に出たいというのがあった。意地でも出たいとずっと思っていました。(首脳陣には)気を使ってもらっていましたし、試合に出たら足が痛いとか関係ない。足を引っ張るようなら出る必要はない。自分の中で、葛藤がありました。出るんだったら100%で動けるのかって。自問自答じゃないですけど。でも、試合には出たい。けがを技術で補えるかどうかが自分の中でありました」

チームリーダーの責任 仲間を鼓舞し続けた1年

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