【松本剛 独白】エスコン元年を振り返る㊦ 昨季の首位打者「まぐれじゃなかったと証明したい」 そして、まな娘のためにも
激動のシーズン 成長を実感したシーズン
日本ハムの松本剛外野手(30)が来季に向けて自信を口にした。もちろん今季の成績に満足はしていない。激動のシーズンを無事に完走し、成長を感じることができたという。
【松本剛 独白】エスコン元年を振り返る㊤ 大型連敗にけが 苦しい時に思い出した鎌ケ谷での下積み時代
昨季は左膝の骨折がありながら、打率・347で自身初タイトルとなる首位打者を獲得した。今季は自己最多の134試合に出場し、打率はリーグ5位の・276。シーズン序盤に一時1割台まで落ち込んだが、徐々に盛り返していった。
「去年終わった時の自分より来年の自分の方がやれそうだなって。(打率)1割9分の時もあったのに・270(台)まで持ってこられたのは成長したなって。めっちゃ成長したなって思っている。去年よりもある意味、自信はついているかもしれない。周りが評価しているほど、自分は技術が高くない。周りが3割打てると言っても、3割はそんなに簡単じゃない。自分の中で3割打つのはハードルが高い。あまり過信することなく、コツコツやるしかないなって」
新庄監督のゲキに再び発奮
11月23日に行われたファンフェスティバルでは、新庄剛志監督(51)が「まだレギュラーは1人しか決まっていない」とゲキを飛ばした。2年連続で規定打席に到達した松本剛も、自身がレギュラーだと思ったことは一度もないという。
「レギュラーだと思えていないので。去年、首位打者を取って、今年も取れていたら話は変わってくると思いますけど。1年やっただけ。3年、3年とよく言われるじゃないですか。でも、3年だからレギュラーだと思わない。僕の場合はもう年齢が。たとえば22、3(歳)で(3年後)25、6ならレギュラー確約っていう雰囲気でもいい。僕の場合は来年31で、3年目でレギュラーをつかんでも32の年。32のやつが100%レギュラーと思える瞬間はないわけじゃないですか」
痛感する思い 「プロ野球で、レギュラーはない」
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そして、こう続けた。
「毎年レギュラー確約という言葉をよく聞くけれど、それはどの球団もないと思います。新庄さんはレギュラーは1人しかいないとおっしゃていましたけど、そのレギュラーの選手が0割0分0厘だったら使わないでしょ。プロ野球で、レギュラーはないんじゃないかなって。でも、レギュラーといえる人たちは、調子が悪い時も乗り越えているから、レギュラーといえるわけで。スタートの位置づけがレギュラーというのはあるかもしれないけど、レギュラーじゃない位置づけの選手も、その年レギュラーになれるチャンスはある。去年の僕だってそう。そうやって考えたら誰にでも、いくらでもチャンスがある。逆にこっちも油断してはいけないと思います」
気付けばベテランの域 まだまだ若手には!
チームの野手最年長は、来年1月に33歳の誕生日を迎える中島卓也内野手。20代の選手が大半を占め、松本剛はベテランの域に入る。試合に出続けるためには、うかうかしていられない。
「若い子たちには負けたくないですよ。自分が監督をやったとしたら、若くていい選手がいたら使いたいじゃない。そこは負けたくない。頑張んないといけない。体の痛いところが増えたり、今年に関してはそうだった。もう一回、体を見つめ直して、元気に1年間戦って結果を残したい。アキレス腱(けん)は、今も不安はめちゃくちゃあります。でも、シーズン中に比べたら全然いいですし、来年2月から勝負しないといけない。オープン戦で結果を残して、開幕を迎えたいなと思っています」
狙うは2度目のリーディングヒッター 最多安打も見据える
不動の地位を築き、もう一度タイトル争いを繰り広げる。首位打者に輝いた2022年が〝確変〟だったと言われたくない。
「首位打者を取りたいです。なんでかというと、今年やっていて思った。最後、あそこ争っていたいなって。それはすごく思った。最多安打も取りたいし、僕の場合はそこ2つでしょ。もう一回タイトルを取って、まぐれじゃなかったと証明したいですね。アイツ、2022年まぐれだったなといつしか数年後に言われる選手じゃなくて、もう一回、取ったな。実力あったんだなと思われて引退したいです」
家族の存在が力の源 「あと(最低でも)5年はやりたい」
引退という言葉を口にしたが、まだまだユニホームを脱ぐつもりはない。21年10月に誕生した長女は2歳。松本剛と仲が良い石井一成内野手のことが大好きだというまな娘は、目に入れても痛くない存在だ。関東に自宅があるため、シーズン中はなかなか会えないが、観戦に訪れることもある。
「まだ、野球をやっているって分かっていないと思う。シーズン中も連絡を取っていたけれど、ナイターの時は寝ちゃう。ロッカーでテレビ電話をかけても、向こうがずっと電話に食いつくことはない。娘が(プロ野球選手だと)認識できるようになるまで、頑張ります。3年したら分かるかな。あと(最低でも)5年はやりたい。36、7か…。若い子には負けないように頑張ります!」
1年でも長く現役を続け、かっこいいパパであり続ける。