見応えのあった天皇杯の決勝戦

　天皇杯決勝は川崎が柏を延長、ＰＫの末に下した。私の中では天皇杯決勝は元日開催が当たり前だったのだが、近年、諸般の事情で日程が早まった。本当は元日に国立でプレーできる幸せを感じてもらいたいのだが。来年の元日は日本対タイのフレンドリーマッチが組まれている。代表に入らないと元日の国立でプレーできないのだ。

主導権を握った柏と我慢した川崎

　０－０のスコアレスゲームだったが、見応えのある１２０分間であった。ゲームとしては柏が厳しいプレスにより主導権を握っていたが、川崎も集中力を切らさずに我慢を続けてチャンスを待った。自分たちの流れではなくても我慢できる川崎の強さはさすがだった。札幌だったら攻撃できないとあっという間に失点しているだろう。

元札幌ＭＦ高嶺のプレーを最後まで見たかった

　柏もリーグ戦ではギリギリでＪ１残留を決めたが、天皇杯ではまったく別のチームと化した。組織的で固い守備からのカウンターは威力があった。ＭＦマテウス・サヴィオとＦＷ細谷のホットラインがあるからこその堅守であった。終盤に交代してしまったが、ＭＦ高嶺（元札幌）を最後まで見たかった。あとで交代した同じボランチのＭＦ椎橋の方が序列が上なのかな？

ＭＦ浅野も目立ったが無くてはならない田中駿

　ＤＦ田中駿の身辺が何かと騒がしいようだ。今季の札幌は１２位と低調な成績に終わったが、その中でも田中駿は安定感抜群のプレーを見せ、チームには無くてはならない存在であることを示した。目立ったのは１２得点したＭＦ浅野だったが、チームのＭＶＰを選ぶなら断然、田中駿だろう。

的確な位置取りと戦術眼

　入団当初は、ストッパーとしてはプレーがきれい過ぎると彼を批判したこともあったが、今では的確なポジショニング、インテリジェンスを褒めるようになった私がいる。つなぎのミスもないし、見かけによらずタフでもある。そんな田中駿を獲得しようと、複数の移籍話があるらしい。田中駿の能力、順応性なら、どこのチームに行ってもレギュラーで活躍できるだろう。

あと一年は札幌でやってもらいたい

　ペトロヴィッチ監督に育ててもらった恩義を感じているはずなので、あと一年は札幌でやってもらいたいと思う。札幌で結果を残してから行くというのでは遅いのだろうか？ 予想していたとは言え、ペトロヴィッチ監督も頭が痛い話だろう。