J2山口・山瀬功治から北海の後輩へ金言 「今日、本当に俺はやれるとこまでやったのかって確認しろ」
プレミアリーグプレーオフに駆けつけた
全国高校サッカー選手権に3年連続で出場する北海は、12月29日の1回戦で大手前高松(香川)と対戦する。同8日に広島で行われた高円宮杯U18プレミアリーグプレーオフには、OBで元日本代表MFの山瀬功治(42、J2山口)が応援に駆けつけた。試合後、自らの経験から大舞台へ挑む後輩へ金言を授けた。
24年連続ゴールの記録持つ偉大なOB
山瀬は北海高卒業後、地元・コンサドーレ札幌(当時)でプロデビューした2000年から、浦和ー横浜Mー川崎ー京都ー福岡ー愛媛ー山口と渡り歩き、昨季までJリーグ最長タイの24年連続ゴールを記録した、今なお現役を続ける偉大なOBだ。「J2からJ1に昇格するプレーオフで負けたこともありますし、むちゃくちゃ悔しい思いを何度もしてきました。ただ、本当に大事なのは負けにどんな意味を持たせるのか、それは自分たちにしかできない」と、自らの経験談を話す。
「今日の負けを生かすか殺すかは、みんな次第」
長年の積み重ねで得た経験の引き出しは数知れない。「僕も試合で負けた悔しさをどう消化して、次へ生かすかを考えてやってきたからこそ、一応24年間、来年25年目になりますけど、未だにJリーガーでやれているんじゃないかなと思っています。今日の負けを生かすか殺すかは、みんな次第。今日の悔しい思いを生かすチャンスがある。そこに向けて何ができるのかを本当に1人1人が考えてやってもらいたい」。負けてしまった後悔より次の試合へ向ける切り替えの大切さを選手らに説いた。
「全力でやるのはある意味当たり前」
プレーオフ1回戦で延長戦の末に敗れた相手・近江も全国高校選手権に出場する。「北海は非常に集中力もあって、体も張ってたし、まとまりのあるチームだなって思ったんですけど、それでも勝てない。じゃあ、どうするのか。全力でやるのはある意味それは当たり前のことで、そこにどういったものをさらに乗せていけるのかが、すごい大事」。まさにプレミアプレーオフで得た経験を選手権に生かせと元気づけた。
「細部にこだわり抜いたところを目指して」
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さらに自身の経験になぞらえて説明する。「今、現役を続けて行く中で、どこまで細部にこだわってプレーできるかをすごい意識しています。それは『これくらいでいいだろう』じゃなくて『ここまでやっても足りない』くらいの意識。ポジショニング一つにしても『大体、これくらいでいいかな』じゃなくて、本当に『5センチ、10センチくらい』のポジショニングの修正を、常にボール状況に合わせていくことだったり、ルーズボールの反応にしても『ここら辺に来るかもしれない』じゃなくて『来たらこういう風に動こう』とか、常に頭を働かしてくこととか、そういう細かい部分がすごい大事になってくる。是非、皆さんには一つ一つのプレー、ポジショニングだとか、細部にこだわり抜いたところを目指して頑張ってもらいたい」。
自身も京都時代の師から金言授かる
京都在籍時代の大木武監督(62、現・熊本監督)から教わった言葉を大切にしているそう。「大木さんがよく言ってたのは、医者の聴診器を買ってきて、自分の胸に当てて自分自身に『今日、本当に俺はやれるとこまでやったのかって確認しろ』。本当に自分がやりきってるかどうかは自分にしかわからないし、自分自身に嘘はつけない。だから、選手権に向けての毎日、自分自身がやれることを最大限やり切っているのかを常に問いかけてほしい。僕はそういう風な意識を常に持ちながら日々生活、サッカーに向き合ってやってきました。だから(長く現役を)やれている部分もあるのかな」と理由を明かした。
「タフな集団になって、選手権に向かって」
近江戦には、交流のある島根・立正大淞南サッカー部が友情応援に駆けつけ、イレブンの背中を押した。「周りの人の力もありつつ、最終的に自分自身の足を動かせるかどうかは自分自身の意志の強さ。是非、チームとしても個人としてもタフな集団になって、選手権に向かってもらえたら。まずは1回戦突破。いい結果を聞けることを楽しみにしてるので、ここからまた頑張ってください」と締めくくった。
年末の大一番で吉報届ける
約5分間のミーティングで選手たちの顔つきが引き締まった。川合航世主将(3年)は「OBの憧れの先輩の前で勝利することが出来なくて悔しい」。先制のPKを決めたエースFW野村光希(3年)は「プロのすごいレベルの高い中でやっている方。点を決めた部分では献身性のあるプレーを見せられたけど、そのほかはダメダメだった」。悔しさを力に変え、年末の大一番でなんとしても吉報を届ける。