堀瑞輝 ブルペンで故意に負傷? 指の血マメを「自分で裂きにいった」理由
鎌ケ谷の室内で異例のブルペン入り
来季へのきめ細かい準備が、すでに始まっている。日本ハムの堀瑞輝投手(25)が12日、鎌ケ谷の室内練習場でブルペン入り。冬の寒さをものともしない熱投を見せた
比較材料を揃えるため動画撮影
例年、この時期はシーズンの疲れを癒やすため、「ブルペンには入らないです」と投球練習を控えている。それでも、この日は渡部ブルペン捕手を立たせ、スライダー、シンカーを交えて本格的に腕を振った。「今年は全然投げていないし、肩の状態を維持したかった。あとは肩が悪かったときと、治ったとき、それと今のフォーム(の違い)を確認したかった」。途中からはスタッフに動画撮影を依頼し、今後のための比較材料を揃えた。
「裂けた!」
最後の1球で、〝事件〟は起こった。出力を上げた直球を投げた瞬間、「裂けた!」と声を上げた左腕。表情は一瞬ゆがみ、痛そうに左手の人さし指を見つめた。しかし、その後はすぐ笑顔に。練習後、「血マメを自分で裂きにいったんです」と、意図的な負傷だったことを明かした。
我流のリスク管理
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
わざと血マメを裂いたのは、来季に向けた〝実験〟がしたかったからだ。「シーズン中じゃ絶対にできないから、この時期なら良いかなと。一回、血マメができたので、だったら裂いて、ここから何日後に普通に投げられるか、確認したい。あとは自分の回復の仕方とか、保湿した方が良いのか、早めに(皮を)剝いで、乾かした方が良いのか、ちょっと試そうかなと思って、裂きにいきました」。ペナントレース期間中に同様の事態が起こった際、冷静に対処するための、堀流のリスク管理術だった。
長谷川に惜別エール
昨オフから宮西のもとで一緒に自主トレを行っている長谷川が、8日の現役ドラフトでソフトバンクに移籍した。「2年間でしたけど、ありがとうございましたって連絡があった。ソフトバンクは今、嘉弥真さんがいなくなって、ハセタケ(長谷川)からしたらチャンスじゃないかなと思う。頑張ってほしいなとは思います」。走り込みなど、過酷な練習をともに乗り越えた仲間に、惜別のエールを贈った。
今オフもともに宮西塾
チームは離れたが、今オフも変わらず、長谷川と宮西塾の門を叩く予定だ。メンバー3人は全員、左の中継ぎ投手。来季、揃ってタイトル争いに絡む可能性もある。堀は「あいつ(長谷川)はまだ早い(笑)」と冗談めかしつつ、「宮さん(宮西)がいる間に、もう一回タイトルを獲りたいなと思っています」と、21年以来2度目となる最優秀中継ぎ獲得に意欲を示した。
けがに苦しみ、辛酸をなめた今年は、もうすぐ終わる。プロ8年目の24年は、完全復活の年。まさに血のにじむ努力を重ね、リリーバーの頂点に返り咲いてみせる。