札幌MF小野伸二「最後の最後に一礼した時は…」現役ラストインタビュー前編
最後の「一問一答」
12月3日に札幌ドームで行われた浦和戦で26年間に及ぶプロ生活にピリオドを打った北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二(44)。道新スポーツでは年末特別企画として、その余韻冷めやらぬ同5日に行った小野へのインタビューを未公開部分も含めて一問一答でお届けする。前編では現役ラストゲームとなった浦和戦当日の話を中心に小野の心境を聞いた。
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辞めた実感はない、シーズンオフみたいな感じ
―現役ラストゲームから2日が経ったが、今の率直な気持ちは
「何も別に変わらないですね。辞めたという実感もないですし、シーズンオフになったんだな、みたいな感じです」
―試合翌日に起きた時の心境も特に変わらない?
「正直、何も変わらないですね。まあ、皆からいろんなメッセージだとか反響はあるので、「あ、辞めたんだな」ぐらいでしかないですね」
―まだ試合から2日しか経っていないのもあるからか
「来年になって、皆がキャンプインとかとなった時に初めて何かを感じるのかもしれないですね。もう(2023年は)練習に行かないので、そこまでは今までと何も変わらない状況じゃないですか。なので初めてそこで何かを感じるのかもしれないですよね」
〝引退〟という言葉はまだ自分では言っていない
―プロサッカー選手という肩書が変わることについては
「『選手』という言葉がなくなるのは、やっぱり寂しいなって思います。まあでもプロとしては終わってしまいますけれども〝引退〟という言葉はまだ自分では言っていないですし、ただ体を休ませてほしいということしか言っていないので。サッカーはずっと続けると思いますよ」
―中山雅史さんも札幌で一度現役引退の会見を行った際、同じように引退の言葉を使わなかった
「まあどっちにしても(サッカーからは)離れられないと思うので」
焼き鳥屋さんでワイワイやった
―3日の記者会見では「おなかが空いたのでおいしいものを食べたい」という発言が。実際に会見後は何を食べたのか
「たくさん(観戦に)来てくれた方がいたので、知り合いの焼き鳥屋さんを貸し切っていただいて、そこに皆を呼んでワイワイやりながら楽しい食事をしました」
―今後は食生活が変わったりしていきそうか
「どうですかね。やっぱり体の動かし方にもよるんじゃないでしょうか。今までとはまた変わると思うので、その辺りはどうなるか。奥さんが3食作ってくれたらそれを食べますし」
この幸せは当たり前じゃないんだとすごく感じた
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―改めて最終戦というのはどういう時間だったか
「今シーズンの公式戦は天皇杯ぐらいしか出ていなかったですし、出番も短い時間で。練習試合も含めてそこまで(トレーニングを)やっていない状況で、ああいう最後の大事な試合の中でスタメンとして起用してくれたミシャさんにすごく感謝しています。僕自身もあの試合のために調整をしてきたので、短い時間でしたけど、やっぱりピッチっていいなって改めて思えて。プロ1年目の気持ちが蘇ってきましたし、3万人を超える人が集まってくれて、ああいう環境の中でプレーする、この幸せは当たり前じゃないんだなとすごく感じました」
痛みがなければずっと続けたいけれど
―辞めずに済むのであれば辞めたくはなかったか
「それはもう痛みがなければずっと続けたいけれど、スポーツ選手はどの選手もそうですけど痛みがないことはないと思うので。その限界が来てしまった部分があるから、今回こういう決断をしただけですね」
―ラストゲームでは選手交代時に両チームの選手による花道がつくられた
「花道をつくってくれて選手が出ていくのを日本ではあまり見たことがなかったので、自分って本当に幸せ者だなと感じましたね」
拓馬の気遣いにすごく感謝したい
―その際にMF荒野拓馬が浦和の選手に声を掛けて集めてくれたという話があった
「映像を見ても、拓馬が皆を呼び寄せてくれていて。公私ともに一番関わっていた選手なので、そういう気遣いにすごく感謝したいですね」
―その荒野やMF宮澤裕樹、MF深井一希は(小野の)最初の加入時には20歳前後の若手だった。そういう選手が今チームの中心として活躍しているが、成長ぶりをどのように見ているか
「プレーもそうですし、人間性もそうですけど、見てきた限りではすごく大人になってきたなと思います」
―44歳の誕生日となった9月27日に自身のインスタグラムで引退を発表したが、送信する際に躊躇はなかったか
「それはもう決意を決めて。やっぱり(辞めるのを)止めようとか言えないじゃないですか(笑)。自分が決めていたことなので、12月3日までの時間を大事にしようと思いました」
42歳の時に限界だなって思った時があった
―引退の年齢が背番号と同じ44歳。自分の中で何か決めていたのか
「42歳ぐらいの時に、ちょっとこれはもう限界だなって思った時があったので、その時にと思ったんですけど、そこから札幌にまたお世話になることになって、だったら44番だし、それぐらいまでは絶対にやろうと。もっとできればというのはありますけど、ちょうどいいタイミングだというところはありましたね」
―12月3日までの調整期間で、自分の中では納得のいく調整はできたのか
「できましたね。その辺りはフィジカルコーチ、メディカルスタッフも含めて、皆さんに本当に気を遣っていただきました」
20分ってこんなに早かったんだな
―久しぶりの実戦。体力面ではどうだったか
「20分間という短い時間でしたけど、全然試合をやっていなかったので、試合勘的な部分できつかったです。ただ、もっともっとやりたいなって交代する時に思いましたけどね」
―試合時間は短く感じた?
「あっという間でしたよね。20分ってこんなに早かったんだなって。「終わってしまった」って感じでした」
―交代時にピッチに一礼した時の思いは
「何かがあるわけではなく、いつも通りの自分が交代した時に必ずやるルーティンだったので」
―何かこみ上げるものがあるとか、そういう感じはなかった?
「サンクスウオークが終わって、最後の最後に一礼した時は『本当にありがとうございました』という感じでした」
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